D&D5版『地底の城塞』。

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 あっ。日付が変わってしまった。

 そういうワケで、昨日7/4(土曜日)、D&D5eをやってきました。

 本来ならD&D4thキャンペーン21日毎パワーの日だったのですが、淡雪さんが参加できず、それならばD&D5eを体験してみたいというこいでさんとあらいさんの希望で、私がDMを勤めることになりました。

 

 シナリオは、オリジナルを考えているヒマが無く、D&D3版の頃のシナリオ『地底の城塞』。3版のかなり初期にでたシナリオです。なので、典型的なダンジョンアタックもの。ただし、シナリオの作者がコーデル先生なので、一筋縄ではいきません。知らない人のためにコメントしておくと、コーデル先生のシナリオはハイリスクローリターン、ピンチが連続してやって来て、そのくせ報酬は少ないというので有名です。でもね、シナリオの最後にはけれん味たっぷりの、「ここまでやっていいんか?」的大仕掛けをセットするし、その伏線もちゃんと張ってあるし、色々なネタのつじつまはちゃんとあっているしで、ストーリーとしては面白いんですよ。かなり。すごく。

 

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 まあ、コーデル先生のシナリオの中にも出来がちょっと悪いモノはあって、コーデル先生の色々な特徴が裏目に出てしまい、ハイパワー対ハイパワーのプレイヤー置いてけぼり中二的展開になってしまうこともたまにあるんだけど。

 『地底の城塞』は、そこまでぶっ飛んでません。コーデル先生としては大人しい方です。というか、コーデル先生が名誉ある悪名(笑)を馳せる前のシナリオだから。

 『地底の城塞』は、また、実は裏設定がありまして、なんとクラシックD&Dのシナリオ『国境の城塞』の数百年後の話なんですね。地底の城塞は数百年前に地割れに呑み込まれた国境の城塞都市なのです。まあ、地図を付き合わせてみても、城塞の見取り図はあんまり似てませんが。

 国境の城塞に訪れてた司教(城塞に常駐している教区司祭とは別人)は、邪悪な宗教を信じている悪の司祭だったのですよ。で、『地底の城塞』では、この悪の司祭(と、彼の影響で邪神を信仰するようになった住民)への天罰として、数百年前に城塞が地面の亀裂に呑み込まれた......という伝説が残ってたりします。ホントかどうかは、作中でも明かされていません。

 あたりの地形に関しては、かなり似てます。『国境の城塞』でゴブリンやオークたちが棲み着いていた窪地は現在"灰の平原"になってます。してみると、大規模な火山活動でもあったのでしょうかね。それに関してはなにも書いてありません。

 

 さて、今回『地底の城塞』に挑戦したキャラクターは次の通り。

ムーンライト・ワサンボン(エルフ/ウィザード)...こいでさん

ウーソッキ・ダーマス(ホビット/ローグ)............まつもとさん

グラール・エール(ヒューマン/ファイター).........あらいさん

オルガ・ラックマン(ヒューマン/クレリック).........ニョーボ

 

 グラールとムーンライトが、ハクリールという大商人から仕事を依頼されます。彼の息子と娘が、冒険に出て帰らないので、その消息を探して欲しいと。話によると、地方の貴族ブラフォード卿の息子(パラディン)にそそのかされ、冒険と称してあたりの土地をふらふらしていたのだが、2ヶ月くらい前の連絡を最後に、消息を絶ってしまったのだとか。

 そして、オルガとウーソッキも教会の方からブラフォート卿の息子を捜すように依頼されます。ふた組みは合流し、お互いのために協力し合うことになります。

 ブラフォートの足取りを追うと、オークハーストという村に向かったことがわかります。そこで、オークハーストに向かい情報を収集すると、ブラフォートの一行は近くの地底の城塞に向かったという情報を得ました。

 地底の城塞にはゴブリンやコボルドたちが棲み着いていて、いろいろと街道を行き来する旅人や旅商人に悪さをします。ですが、同時にオークハーストに黄金の林檎を売りに来たりして、完全な厄介者とも言いきれない立場です。ちなみにこの黄金の林檎、一口食べればどんなケガも病気も完全に治り、長寿にも効くというシロモノ。たった1、2個ですが、ゴブリンたちはこれをここ数年夏至の頃に売りに来るのです。

 頼まれもしないのにブラフォードたちはこのゴブリンを退治しに地底の城塞に向かい、そして消息を絶ったと言うことがわかり、PCたちもそのあとを追います。

 

 地底の城塞ではゴブリンの他にコボルドが棲み着いており、両者は互いに対立、抗争を繰り返していました。最近もまたちょっとしたいざこざがあったようです。そのいざこざで盗まれた"ドラゴン"を取り返すことをコボルドに約束し、PCたちは城塞の道案内をしてもらいます。

 ゴブリンの族長のところに乗り込んだPCたちは、戦闘を仕掛けます。

 

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 フィギュアが倒れているのは、先制のスリープが効きまくった結果です。

 少しピンチもありましたが、見事族長を討ち取り、ゴブリンたちからブラフォードたちのことを聞き出しました。ブラフォードたちはゴブリンとの戦闘に負け、ふたりは死亡、ひとりは逃亡、そしてふたりが捕虜になっていたのです。捕虜はゴブリンたちの親玉、追放者ベラックという流れのドルイドに引き渡され、地階に連れて行かれたとのこと。

 空き部屋で充分な大休憩をとったあと、PCたちは地階に降りて、追放者ベラックと直接対峙します。

 ベラックは地階でガルシアの樹という奇っ怪な樹を育てていました。この歪んだ邪悪な樹は、その幹の中に人型生物を取り込み、自分のしもべと化してしまうのです。PCたちが捜していたブラフォードとハクリール兄妹の片割れシャーウィンも、哀れガルシアの奴隷にされていまして。

 ベラックはこの樹を地上一杯に拡散する陰謀を企んでいたのでした......。

 さて、ラスボスとの戦闘です。

 ですが、さすがにラストバトル、ベラックは強かった......いや、ベラックが作り出した、ガルシアの奴隷、ブラフォードとシャーウィンが強かった。特にブラフォート。

 私(DM)のサイの目も走った関係もあってかなりキツい戦闘になました。それでもあと一撃というところまで追い込んだのですが、結局PCのうち3人が倒れ、仕方がなく、ひとり残ったムーンライトは撤退することになったのです......。

 

 .........というわけで、PC全滅寸前の展開で、終わりました。任務は失敗ですね。

 これで終わりにする気は、DMの私にはなかったのですが......時間切れでして。

 倒れた3人をベラックが治癒し、それに向かってウーソッキが交渉をしたところで、中断と相成りました。ベラックはPCたちをガルシアの樹の奴隷にするのが目的ですから、PCたちに簡単に死なれるのも困るわけですよ。

 まあ、続きは機会があったら、ということになりました。

 

 で、いろいろと反省点やわかったことがたくさん有ります。

 

 まず。D&D5eは取り回しが非常にしやすい。クラシックD&Dと同じくらい、やりやすい。戦闘はクラシックD&Dよりは重いですが、3版よりは軽いです。それでいて4版みたいな、ちょっとした「派手な動き」も出来るようになってます。

 また、クラシックD&Dには技能が無く、それで戦闘以外のイベントはちょっと処理しにくかったのですが(なのでDMの腕や裁量に大きく左右される)、5eは、技能があるので、それら戦闘以外のイベントも上手く処理できます。ここらへんは3版と感じが近いです。

 なにより、ゲームの最中、ほとんど計算しませんね。正確に言うと、あらかじめ出しておいた個人の能力関係の数値+サイコロの目、これでほぼ処理されます。状況による修正は足し算引き算ではなく、有利・不利でサイコロを複数振って処理します。つまり足し算は1回、足し合わせる数値は(個人の能力関係とサイコロの目の)ふたつ。軽いです。

 それでいて、どのような状況にも対応できる柔軟性。

 もちろん、有利・不利だけではちょっと表現しきれないな......と思ったこともないこともないですが。おおむね、不便しませんでした。

 これで、もっとやりこんでいくと、有利・不利だけで数値修正が入らないことが物足りなくなってくる......んでしょうかね? そんな日が来るような気もするし、そうならないで済みそうな気もします。

 

 あとですね。

 シナリオとか、モンスターの数値とか、低レベルならほぼ3版のものが流用できることがわかったのも、今回の収穫です。

 ACとBAB(基礎攻撃ボーナス)を1~2低く修正してやる必要はありますが(たぶんPCが1~3レベルの間は)、ほぼそのまま3版のモンスターデータは流用できます。特技、特殊能力に関しては、若干、取捨選択は必要かも知れませんけど、これもルール的には問題がなさそうです。

 もっとも、3版は20レベルまで、5版は30レベルまで、攻撃力の上昇も3版に対し5版は緩やかなので、もう少し高レベルになったら、修正する為の数字はもっと大きくなるんじゃないかと思います。それでも、ちょっとの修正で使えることには間違いありません。(もちろん、正式なモンスターマニュアルの同じモンスターとは数値が食い違ってしまうので、それは考慮しておく必要がありますが)

【2015/07/11追記】桂さんに指摘されたのですが、(そしてコメント欄で訂正しているように) D&D5eもレベルは20までですね。ただ、攻撃ボーナスの上がり方がクラシックD&D

並というのはそのとおりです。

 当たり前の話ですが、攻撃力とかACとかHPとか、戦闘に使う基本的なパラメータは両者ともほぼ一緒なのですから、最高レベルが20か30かという違いを計算で変換してやればよいだけです。

(桂さんは顔しかめるだろうなあ、この意見......)

 3版の大量のシナリオとかモンスターデータが活かせるってのは、いいなあ、これ。

 

 とはいえ、レベルが上がって行くにつれ、3版と5版の差は広がっていきそうな気はします。5版なら8レベル以下(3版では5レベル以下ぐらいかな)に限った話ですね、たぶん。

 そこらへんはもっと見てみないといけないだろうけど......とりあえず、5版用シナリオがもっと出てくれるまではこれで食いつなげそう。

 

 というわけで、システムを見極めるためにも、今回のシナリオのラストの切れの悪さを納めるためにも、これの続きを早くやりたいところですが。

 他の3人はともかく、ニョーボは土曜日忙しいときが多いからなあ......ニョーボがヒマが出来てからだから、たぶん9月以降になるんじゃないかな。

 それにしても、全滅寸前のかつかつの展開だったのだけど、みんなおもしろかったといってくれて......、これもやっぱり5eがいいシステムだからだと思いますね。要するに、ルールに沿ってサイコロ振っているだけで面白いってことですから。

 

 というわけで、大変気に入っているシステムなので、英語版でもいいから買おうとしたのですが......今回プレイした場所である秋葉原YSではPHB売り切れ。DMGもMMも売り切れみたいでした。う~む、残念。なるべくゲーム屋実店舗で買いたいんですがね......、こりゃ通販か......?

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コメント(3)

5版、30レベルまであったんですね。
最初のキャンペーンが行っても5レベルって事だったので完全スルーしてました。

ルルブはお店でコア三冊頼んで、最後のMMが入るまで結構かかりました。
まあ、取り敢えずPHBがすぐ来たので困りはしませんでしたが。

三十レベルないんですね。
ウィザードとしては九レベル呪文覚えてから十レベルなくて一安心。

攻撃ボーナス小さいせいもあるのでしょうが、ACも押さえ目な様でAC20が遠いですw

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このページは、makiyamaが2015年7月 5日 00:07に書いた記事です。

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