『ダンジョン飯』2巻、買いました。読みました。今回も面白かったです。
たぶん作者さん、TRPGをやったことがあるとは思うのだけど、もし万が一やったことがないのなら、絶対にハマりますね、TRPGに。
背景世界は、コンピュータRPGのウィザードリィにヒジョーに雰囲気の似た世界。復活は死体があれば比較的簡単だし(大金はかかるけど)、魔法が非常に発達していて、システムマティックな感じ。同じコンピュータRPGの『ダンジョンマスター』の影響も感じられるけど、基本はウィザードリィですね。もちろん、そんなことは一言も書かれてはいませんが。
で、ウィザードリィの世界では敢えて省かれていた「食料」の問題を、本当にあの世界があったならどんな風になっているのだろう......と思考実験した結果がこの漫画、と言っていいでしょう。つまり、ウィズの世界の再構築。なもんだから、雰囲気はモロに『ウィザードリィRPG』なのですねえ。あたり前っちゃ、当たり前ですね。同じアプローチなんだから。
架空世界のお約束、と済ませないこの態度は、ファンタジーよりもSFよりです。ウィザードリィRPGもなんかそういうところがありましたねえ。魔法が有るのは当然として、それが存在するなら世界はどう動くのか、とかまで考えられた背景世界とか。グループSNEの特質のような気がします。トラベラーもそうだし、ソードワールドにもそういう雰囲気はぷんぷんしている。
でも、物語の雰囲気としては、ほのぼのとシビアが隣り合わせで存在しています。ここらへんの雰囲気と生活感は、SNEより藤浪智之さんの作品に近いものを感じます。
で、たぶんTRPGものなら、誰でも考えることじゃないかとは思いますが、これ、TRPGで再現出来ないかなあ、と考えたわけですよ。
『ダンジョン飯』をまんま再現するならウィザードリィRPGを使うのがいいのでしょうが、そうじゃなくて、もう少し本質的なところで活かしたいので、食べることがシステム的に絡むものがいいんじゃないかな、と思うわけですよ。そうすると真っ先に上がるのがファー・ローズ・トゥ・ロード(以下Fローズ)。
Fローズには感情がパラメータとして設定されています。これは、もちろんロールプレイの指針としても使われますが、MPのように魔法を使う時に消費したりもするのです。で、これらは、もちろん色々な事件によって上がったり下がったり、魔法的要因でも上がったり下がったりするのですが、酒や食事によっても上がったり下がったりするのです。食事が、体力維持のため以外に使われている珍しいシステムなワケです。
さらに、ここに、藤浪さんのデザインしたカードゲーム「オムそばスケット」を導入します。これは、ワードバスケットの要領で、食材から料理名を要っていくというようなカードゲームです。つまり、食材のカードがたくさん有るわけです。モンスターを倒したら、この食材カードを引くわけですな。そして、いくつか食材がたまったら、それを使って料理を作る。もちろんTRPGだから、こじつけOKです。「和風スパゲティなのであんこときなこ入ってます!」とかね。(いや、もっととっぱずれててもいいと思うんですが) もちろん、そのモンスターからどうしてその食材が取れたかもこじつけて遊びます。
シナリオにも絡められますね。「王様が変わったパスタ料理をご所望じゃ。さっそく山海ダンジョンの珍味を集めて料理を作りもってくるように」とか。で、ここでもまた、先ほどのような材料こじつけが楽しめると。「いや、パスタにミソ使うでしょ」とか。
さらに、ここに、個人プレイヤー得点みたいなモノを入れると面白いかなあ、と。つまりパーティ全体で得た食材と、個人で得た食材を別に管理して、最後に料理を作る時にたくさん食材を入れた人が高得点とかね。もちろんここもこじつけあり。
あ、マジで形になりそうだな。少し考えてみようかな。グルメTRPG。
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