『ドクターストレンジ』を観た。

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 映画の話繋がりでもうひとつ。

 一番最近(映画館で)観た映画は『ドクターストレンジ』。家族3人で。娘はアメコミ原作映画と言うことで興味を持ち(アメコミファンの友だちから猛烈プッシュを受けてた)、ニョーボはカンバーバッチが好きなので。私はその中間かな。結果は、3人とも大満足の映画でした。

 

 前の『ズートピア』から『ドクターストレンジ』の間に『シン・ゴジラ』とか『君の名は。』とか『スターウォーズ/ローグワン』とか『ドント・ブリーズ』とか見ているんですけど、前の記事書いて思いました。感想は新鮮な方がいいと。

 『シン・ゴジラ』『君の名は。』に関しては直後には書きたいことがずいぶんとあったのだけど、いざ今書こうと思ったら8割方忘れている。それにそこらへんは世の中にたくさん溢れてるでしょうし、私の8割忘れた駄文では、ちょっとねえ。DVDで見返したら書くと思います。

 

 と言うわけで、アメコミ原作の『ドクターストレンジ』、主人公ドクターストレンジ誕生の話(のリメイク、というか現代解釈版)。原作は50年代に始まるのだそうですが、そこは最近のアメコミ・リブートものと同じように、現代に置き換えて描かれています。(そこのギャップを逆手に取ったギャグもありました。wifiのパスワードとか)

 とはいえ、50年代ティストの部分もちらほらと散見されて。そもそも魔術をチベットやらインドやらの仏教密教系に求めるというのが、まず50年代アメリカですね。20年代かそれ以前ならエジプトだろうし、80年代以降だと中国・日本系だろうし。(一般的流れの話です)

 

 高慢な天才外科医が事故で手が動かなくなり、絶望の淵に追い込まれるが、密教の秘儀によって元に戻り、さらに魔法を操る力も得る。だがそのために、地球のアストラル界を守る宇宙的抗争に巻き込まれていく......と言うのがメインストーリーですね。アメコミで繰り返し扱われる、「超常的な力とそれを使うための代償と持った者の責任」と言うのがテーマ。

 

 私の好きな、細かいところまで作り込まれ細々とした伏線に満ちた映画でして、そういった観点からも私は大満足でした。先ほどのwifiのギャグ他、細部にも気が張ってあって、気が付いた人はより深く楽しめるという。

 もちろん売りであるCGを駆使した魔術空間の映像、あれも圧巻でした。ビル群がばらばらに歯車細工のように回転するイメージ、CMなどでもちょっと出てますが、圧倒的な迫力です。4DXで観たから余計。「特撮は画だ」という円谷英二神様の言葉を体現したようなイメージの奔流。ただただ押しつぶされます。

 ありゃ日本アニメ、抜かれたな。でもすぐにこれを消化して画面に応用してくるアニメ、出るんだろうな。楽しみだ。

 

 あと、少し強引なこじつけですけど、歯車と高いところから落下するイメージがたくさん出てくるところ、「ルパン三世・カリオストロの城」を連想しました。もちろん完全に消化しきっていて、パクリだなんだとは口が裂けても言えるレベルじゃないけど、ちょっとインスパイアあるいはオマージュを捧げているような部分はあるのかなと思いました(かなりそれっぽいシーンがひとつある。たぶんワザとやってる)。

 マーベルヒーローのひとりですが、今回のお話では誕生編と言うこともあり、他のヒーローの話はほとんど出て来ません。(最後に次回の予告編的にトールが出てくるくらい。あとは話の中でアヴェンジャーズの名前が出た) なので、アメコミ映画初心者の私たち3人には導入編として最適でした。(私とニョーボはスパイダーマンとスーパーマンくらい、娘は全くの初心者。まあ「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」は3人で観ましたが、あれは完全に別世界ですしね)

 

 

 とまあ、普通の映画の感想はこれくらい。ここから先はTRPGゲーマーとしての感想。

 うわあ、これ、アメリカ人の映画や!

 

 映画の中で構築されている魔法世界、アストラル界、魔術体系、密教体系、ここらへん全部、アメリカ人の心の中にナチュラルに染みこんでいるオカルト体系だ!と思ったのですよ。特定の作品で言及されたわけではない、けれどアメリカ人なら普通に考えているオカルト体系。

 日本人のとも、アラビアやインドや中国とも違う、異世界の体系です。(ヨーロッパはわからない)

 シャドウランやD&Dにおけるアストラル界・アストラル体、宇宙観、システム、そういったものが特に説明無しで出てきます。もちろん説明無しだからといって理解出来ない不親切な作りではないですが、でもアメリカ人にはいわずもがなのことなので説明無しなんだろうなとは思うんですよ。

 つまり、シャドウランとかD&Dのアストラル観を知っていると、かなり楽しめる。

 

 逆に、この映画を入り口に、そういったアストラル観のゲームに入ることも出来そう。シャドウランに引きずり込むのは凄く向いていそうです(ニョーボもそう言ってたし、娘をそう言って誘った)。メイジ:アセンションもそうなのかな。メイジは実は余り知らないんだけど。

 そういった観点から、シャドウランファンと、これからシャドウランを始める人にお勧めの映画です。

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このページは、makiyamaが2017年3月23日 13:49に書いた記事です。

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