ミニチュアな『ディセント』。

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 最近のボードゲームの流行として、コマがミニチュアのフィギュアになってるというものがあります。

 これ、理由がありまして。

 最近のボードゲームは、資金をキックスターターで集めるものが多いんですね。

 で、キックスターターは見た目で人気(というか、出資ごころ)をそそらなくてはいけないので、見た目派手にしなくちゃならない。

 というか、要するに出資候補者が、「クソゲーでも、このミニチュア手に入るんなら出資しても良いか」と思えると、出資が集めやすいというわけで。

 特に、初期のキックスターターで大ヒットですごい金額を集めた(目標の20倍くらい集めたんじゃなかったかな)「Scythe」が、ミニチュアが出来よくて、んでもって、実際出来てみたらゲームも傑作で、というよい(というか出来過ぎた)前例になってしまったので、その後ミニチュアゲームがキックスターターに増えたという。

 ま、そんな事情があるんですが。

 私もミニチュア駒ゲームには財布の紐が緩くてねえ。

塗りかけフィギュア.png
 この写真は、「マッシヴ・ダークネス」のフィギュアですけども。塗りかけなので、雑だったり、剣がアルミっぽかったりしますが。


 もともとD&Dが好きなのも、ミニチュアとタイルで遊べるから、という理由が大きくて。そういう理由から、このコロナ禍は結構キツいんですが。(ユドナリウムで3Dになってるとは言え、やっぱりラーメンに対するカップメンくらいの違いはある)

 ま、それはさておき。

 現在気に入っているミニチュアコマのボードゲームは『ディセント2』です。あと、『マンション・オブ・マッドネス2』。


スキャン 2020-07-14 19.11.jpg

 『ディセント2』というからには「1」もあったわけで。

 というか、『ディセント1』(正確にはナンバリングはされてないわけですが)はミニチュアボードゲームのはしりですね。この頃は別にキックスターターが理由ではなかったのですけども。

 ディセントのヒットにD&Dが影響されて4thが出来、そして数々のミニチュアゴマのボードゲームが出現し始めた。

 ......という素晴らしき『ディセント1』ですが、そして持っているんですが、正直、ゲームのコンセプトはともかくゲームとしての出来はかなり大味でして。うん。

 マスターとプレイヤー(たち)のガチ対決というのはいいんですが、実際にはマスターが勝てない。正確に言うと、勝てないこたぁないんですが、マスターが勝つためにはPCたちがほとんどアイテムを手に入れてない、経験値も貯めていないときにぶっ倒すしかないという。

 つまり、マスターが勝とうとすると、プレイヤーがかなり欲求不満の不完全燃焼になるという展開しかない。普通にやったら3時間超というゲームを、最初の30分で終わりにしてしまったら、そりゃあ欲求不満だわな。

 ここらへん、不満もかなりあった模様ですね。

 で、そこを改良したのが『ディセント2』です。



ディセント2のどこが良いのか。

  • プレイ時間が短い

 私、正直なところ、長いゲームが好きなんですよね。ボードゲームでは、短いのと中ぐらいのと長いのと、それぞれ別モンだと思って遊んでますけど、プレイ時間の長さだけ比べると長いゲームの方が好きかも知れない。というか、比べる方が間違ってると思う。「ブロマンジェとサーロインステーキどっちが好きか?」と言うのと同じくらい。そんときの気分や腹の減り具合で答え変わってくるでしょ、ふつー?

 ですが、ここで「短い」を長所としてあげるのは......まず「1」がバカみたいに時間がかかるゲームでして。ルールに慣れても3時間超、初心者交えてインスト込みでやったら5時間かかります。ボドゲとしては長いです。

 「2」ではこれが、1時間程度、初心者にインストしても2時間で終わります。すごいです。で、もちろん充分に面白さを堪能できます。

  • マスター(オーバーロード)側に勝ち目がある。

 これも大事。先ほど述べたように、「1」では最初の部分、プレイヤーが何が何だかわからない状態の時に一気に倒さないとオーバーロードに勝ち目はないです。でもこんなんで勝っても面白くないし、プレイヤーは欲求不満で二度とゲームにつきあってくれなくなってしまうかも知れない。つまり「ゲーム」として成立しないプレイバランスなのです。

 オーバーロードに勝ち目がないと言うことは、つまりプレイヤー側としてもだれて感じられる可能性があると言うことだし。

 それに比べて「2」は、最後の瞬間まで、どちらにも勝利の可能性があるように作られているのです。というのも、各自の勝利条件が、相手の撃破だけじゃなくなったから。

 シナリオは前半後半に分かれ、それぞれが1戦闘から2戦闘くらいで終わるボリュームなんですが。敵の撃破は勝利の絶対条件ではなくなり、代わりに「物資を確保すること」「エリアから脱出すること」などなど、シナリオ毎の勝利条件になったのです。  そのために、PCが条理条件を達成する直前までオーバーロードに勝ち目があるし、プレイヤー側も油断が出来ないわけです。

 この、シナリオごとの勝利条件というのは、プレイ時間の短さにも貢献してますね。


  • バランスがよい

 うん、これは単純にその通り。「1」だとキャラ毎に無茶強かったり役に立たなかったりしたのですが、「2」ではちゃんと一長一短、バランスが取れてます。その分はっちゃけたキャラがいなくなったと言えばその通りなのですが、ゲームとして楽しむことだけ考えたら、これが正しいシェイプアップでしょう。


  • シチュエーションが多様

 「1」の時は、基本、ダンジョンハックでした。つまり1つのダンジョンの入り口から奥のラスボスを倒すまでがひとシナリオ。

 それに対して「2」は、シナリオのシチュエーションにバリエーションがあります。そもそも、ダンジョンハックとは限らない。最初のチュートリアルミニシナリオからして、屋外ですからね。ラスボスは洞窟にいますが、入ってすぐの部屋ですし。

 他のシナリオも、見張りの館だったり、王宮の一部だったりと室内、野外、ダンジョンと色々なシチュエーションがあります。そして、そのシナリオの度に目標(勝利条件)が違います。キャンペーンシナリオやっても、単調になってません。

 シナリオの観点から言えば、ダンジョン1つがシナリオだった「1」に比べ、戦闘(とその結果)が1つのシナリオになっています。D&D風に言うと、「1戦闘遭遇」が1シナリオになっている。なので、短いし、いろんな多様な要素が詰め込める。

 

 とまあ、いろいろと改良が加えられている上に、ゲームとしても洗練されているので、非常に気に入っています。
 
 



 ああ、早く、実際のミニチュア使ってプレイできる日が来ないかなあ。コロナのバカぁ。

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このページは、makiyamaが2020年7月13日 20:41に書いた記事です。

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