今や、日本のオタクの基礎教養となりつつある「クトゥルフ神話」。ギャグマンガやエロマンガ読んでても、「ルルイエ」だの「這い寄る名状しがたきもの」だのという単語が出てくることも珍しくなく。 アメリカでは「日本のマンガでクトゥルフ神話やラブクラフトを知った」という人もいるとかいないとか。
で、火付け役は「這い寄れ!ニャル子さん」だったり「デモンベイン」だったり「イクサー1」だったりするかも知れませんが、「クトゥルフ神話TRPG」(及びその紹介リプレイ動画)もかなりの所あるらしい様子。
まあ、かく言う私も、時代こそ前世紀ですが、TRPGのネタとしてクトゥルフ神話を本格的に読み始めた口ですから、あんまりひとのことは言えない。
日本では、TRPG=クトゥルフという認識の方も結構たくさんいらっしゃるようで。私のツイッターのタイムラインにまで流れてくるんだから、そりゃかなりの数になるでしょう。
でも、一口に「クトゥルフ」のTRPGといっても、実際のところは結構数があります。
クトゥルフ神話TRPG(クトゥルフの呼び声)
まずは「クトゥルフ神話TRPG」。原題は「Call of Cthouluh」なので直訳すれば「クトゥルフの呼び声TRPG」となるワケですが、これは商標権を(5版までを出版していた)ホビージャパンが押さえているため、アークライトは「クトゥルフ神話TRPG」として出した......んじゃないかな。たぶん。 これは「ベーシックロールプレイ」と呼ばれる汎用システムをベースにしたもので、ご存じのように現在は7版まで出ています。パーセンテージダイスでわかりやすいのが特徴です。
D20クトゥルフ
次に「クトゥルフ神話TRPG20D」。 D20システムをベースにしたクトゥルフRPGです。D20システムとは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の(ベース部分の)システムでして、つまり「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を知っている人なら簡単にルールが覚えられるという。RPG(TRPG)といえばダンジョンズ&ドラゴンズというのが世界の大勢ですから、そりゃ当然出るべくして出た代物でしょう。日本でも以前に出ました。
......ただねえ。正直、あんまりいいできじゃないんですよ。d20モダンなんかの、現代に置き換えたD20システムに正気度ルールを無理やり接ぎ木したようなルールでして。ルールとしてはお世辞にもスマートとかモダンとか言える代物ではありませんでした。 ルールブックに書かれているマスター(キーパー)へのアドバイスやシナリオの作り方は大変よいことが書かれてますけど。(あと、D&Dにクトゥルフモンスターを出すときのデータとしても使える)
あと、このベースになってるD&Dのシステム、3版なんですよね。4版はまあともかく、5版ベースのd20クトゥルフがあるのかどうか、ちゃんと調べてないんでわかりません。作るのは難しくなかろうと思うのですが、ニーズがあるのかな。
その他もろもろ
他にもT&Tクトゥルフとか、D10クトゥルフとか、外国製、日本製問わず色々なシステムがありまして、さらに「クトゥルフ」を名乗らないホラーシステムもあるので、その正確な数は把握できません。
トレイル・オブ・クトゥルー
で、今回初めての日本語版が発売されたのが「トレイル・オブ・クトゥルー」。 ガムシューシステムというシステムが元になっているそうです。ガムシューって、無駄話のことだと思っていたんだけど、違うかな。
これは、かなり「クトゥルフ神話TRPG」と違ってまして。正気度の他に<安定度>というのがあります。クトゥルフ神話TRPGでは「正気度判定」だけですが、トレイル・オブ・クトゥルーだと、「正気度」と「安定度」に別れています。「正気度」は長期の狂気、「安定度」は短期の狂気。安定度がなくなって起きる狂気はいわゆる「パニック状態」や「気が触れた状態」、見ただけでわかる発狂状態で、正気度がなくなったときが「人間性の欠如」や「永遠の狂気」、静かなる狂気です。
で、ガムシューシステム、かなりユニークなシステムでしてね。システムマニアとしてはこれは遊ばねばなるまいと言う感じです。いずれ詳細なレポート挙げる予定ですが、一言で言って「(固定)技能値無し」なのですね。すげぇ。 いや、以前、俺、これと同じようなシステム考えたことあるんですけども、壁にぶつかっちゃいまして。ガムシューシステムではどうやってそこらへんをクリアしているのか、クリアしてないのかなど、確かめてみたいと思います。
とりあえずTRPGシステムに絞ってかいてみましたが、ボドゲにもクトゥルフテーマのもの、多いですよね。私も「クトゥルフウォーズ」を始めとしていくつか持っているんですが、全てを網羅は出来ず。(出来もアレなものが混じってますしね)
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