21日ごと、つまり3週間おきにやっているD&D4thの連続セッション、21日毎パワー。3/28(土曜)は、その第30回目、Lv27セッションでした。いつもは、松本さんがマスターなのですが、今回のDMは私です。
27レベルともなると、神話級も後半。マスターガイドによると、それこそ神話になるような大冒険、大使命を果たすことのできる英雄の冒険譚を刷るべきだというレベルなんですが、まあ、難しい。難しいですよ。この手の、むやみに壮大なネタというのは考えつくときには考えつくんですが、なんか考えようととしてこねくり回して作り出そうとすると、難しい。私にとっては、の話ですけど。
普段、日常とか、せいぜい、1つの町の危機程度を考えている私としては、世界すら揺るがすようなネタというのは難しい。それが単に『町』を『世界』に置き換えただけのものでないとしたら。なので、考えついてから実に3ヶ月、構想にかかりました。もちろん、その間、仕事をして頭がいっぱいだった時期もあるので、実質考えてた時間はそんなに長くないのですが。
そりゃもう、難産でして、実は、朝の5時くらいまで、頭を捻っていました。一応D&D4thのガイドラインに沿って戦闘のバランスを取ったのですが、テスト戦闘を行っていないので本当に大丈夫なのかどうか、不安のまま。
そう言ったわけで、プレイヤーには事前に、「今日は地獄を見ることになるかも知れないよ」とは言っておいたのです。
実際は、「知れないよ」ではなく「見てもらうよ」という確定事項だったのですけどね。
そんなこんなで、難産なネタです。「でした」と過去形になっていないのは、実はこの回が前半で、次回が後半という2回構成になっているからです。そう、まだいろいろと藻掻いているのです。
21日毎パワーキャンペーンの基本骨子。PCたちは、次元の狭間の『シギル』というポケット時空に、住んでいます(正確にいえば、連れてこられたのですが)。エターナルチャンピオンシリーズのタネローンみたいな空間です。このシギルは、多元宇宙の中央に位置し、あらゆる世界と隣接し、ゲートを開かれる可能性を持った次元という設定です。このハブ世界を経由することによって、D&D世界の住人たちは、色々な世界......魔法が満ちあふれたフェイルーンや、スチームパンクみたいなエベロン、恐怖と暗黒の世界レイブンロフト、等々物理法則さえ違う世界...を移動することができます。
まあ、ぶっちゃけていうと、他のキャンペーン、他のマスターのセッションから別の世界(キャンペーン、マスター)にPCを移動させるための方便のためにあるような世界ですね。フェイルーンにいたキャラがエベロンの冒険に登場した、それはきっとシギルを経由して次元移動したのだろう......と。
で、21日毎パワーセッションは、基本松本さんがDMなのですが、ときどき、私やこいでさんや荒井さんやakiyukiさんが代わってDMします。そのためにこのシギルに住んでいるという設定は実に有効なのです。まあ、松本さん自身、気が多いので、エベロンだったりフェイルーンだったりいろいろ移動するわけですが。
PCたちは普段、このシギルに住んでおり、ときどき各世界に召喚されて、そこでミッションをこなしていく、というのが基本展開です。そこには、多次元宇宙を見通し、彼らが召喚されることをコントロールしている何者かの存在がある......ような気がするのですが、そこの設定は松本さん次第なので、私にはわかりません。
今回もそうやって呼び出されたのですが、それはいきなり戦闘の真っ最中でした。デーモンとデヴィルの戦いの真っ最中。どこか、大きな船の内部のような閉鎖空間です。
(※ここで、ちょっと注釈。D&Dではデーモンとデヴィルは別物なのです。デーモンはアビスに棲む超強力な精霊、デヴィルは九層地獄に棲む堕天の存在。デーモンは戦国時代の諸侯のような群雄割拠の存在で、デヴィルは悪をなすために組織化された王制の力ある存在。D&Dの9種類のアライメントをご存じの方なら、デーモンはカオティック・イビルでデヴィルはローフル・イビルだといえばおわかりいただけるでしょうか。そして、別の集団であるので、当然このふたつの存在は、お互いに争ったりしています)
デーモンに召喚されたPCたちですが、どうやらデーモンの一体が身体の中に人間の子供を閉じ込めているらしいということに気がつき、両方にいっぺんにケンカを売ります。しかも、その戦闘の最中判明するのですが、舞台となっている船は、現在落下中で、6ラウンドで地面に叩き付けられてしまうという状態でした。
6ラウンド目になんとか脱出することに成功したPCたちですが、地表に降りて辺りを見回すと、気が付くのです。
「ここ、地獄じゃないの? 九層地獄の、一層目なのでは?」
助け出した子供は無事目を醒ましますが、記憶喪失に陥ってました。名前しか覚えていない。けれど、少年が楽器を奏でると、PCたちの脳裏に恐ろしいビジョンが広がります。平和な世界が、地獄に呑み込まれていく光景。
「そうだ......ベロニカ。僕のベロニカを、取り戻さないと」
少年は自分のバイオリン、ベロニカを取り戻してくれるようPCたちに頼みます。そうしないと、世界が大変なことになると。ベロニカは九層地獄の三層目の火山に封印されていることだけを思いだしたのでした。
今までの冒険から、呼び出された世界で何らかのクエストをこなさないとシギルには戻れないことを知っていたPCたちは、この少年の願いこそそのクエストではないかと直感し、地獄を巡る旅に出るのでした......。
というわけでですね、予告通り、「地獄を見てもらう」ことになったわけです。
まあ、神話級ですから、地獄へ行って帰ってくる神話を作ってもらおうかと思いましてね。
ここまでが導入でして、このあと、第二階層を無事くぐり抜けるための技能チャレンジ、第三階層でのしんどい戦いがあるのですが、このシナリオ、他の人たちにもやってもらったり、同人誌にして売ろうと考えているので、これ以上のネタバレはやめておきます。
今回の参加PCは、
マユタマ(撃破役/ジェナシのバーバリアン・ソーサラーハイブリッド)......こいでさん
ドグマ(撃破役/ドラゴンボーンのソーサラー)......松本さん
ホーネット(制御/エルフのシーカー)......荒井さん
プレーヌ(指揮/ヒューマンのバード)......淡雪さん
このほかに、NPCとして、チョッパー(指揮/ドラゴンボーンのテンプラー)。チョッパーの持ち主SOVAさんは今年1月に亡くなられまして。一番この21日パワーにのめり込んでいた方だけに、せめて持ちキャラだけでも冒険を続けさせてあげようかと、登場させたわけです。実はもうひとつ魂胆があるのですが、それは今は内緒。
セッションの様子ですが。
そりゃもう、事前にテストプレイとちゃんとしたバランスとりをやってなかったので、ひどいことに。
まず最初の戦闘、まさか最後6ラウンドぎりぎりまでかかるとは思わなかった。やっぱり4人だと、絶対的な火力量が足りないですね(チョッパーは回復以外戦闘に参加しなかった)。2~3ラウンドで結着すると思ったんだけどなあ。PCたちを、敗戦の恐怖に追い込めたのはよかったけど。
あと、デヴィルデーモン合わせて6種類の敵クリーチャーを出したのはやり過ぎでした。やっぱ4種類くらいまでの抑えるべきだよね。マスターがモンスターデータのコピーを用意してなかったのも相まって、リアル時間もかかりすぎました。
第2戦闘遭遇も、ちょっと、長かった。しかもデヴィル側が作戦もなく、ただひたすら殴るだけのやつを選んでしまったので、長い戦闘が単調になってしまった。一応HPはエッセンシャル仕様に減らしておいたのですが(代わりに攻撃力が増えている)、それでも長引きました。あとですね、大休憩がしばらく取れないよ、と脅かしたので、一日毎パワーの出し惜しみをしたせいもありますね。
これは地獄で、真底休まるところを確保することが出来ないからという理由によります(もちろん、リソース配分を考えることによって冒険の困難と楽しみを味わって欲しいと言うことがメタの理由ですが)。モルデンカイネンズ・セキュアシェルター(安全なキャンプ地を他次元に作る儀式魔法)など、他次元にゲートを作るのは、地獄の設定上、不可能である、ともしてしまったし(モンスターマニュアル読む限り、九層地獄では次元転送ゲートは基本的に開けないようだから)。
実は第3遭遇までやる予定だったのですが(そして、さすがにそのあとでは大休憩を取れるようにしようと思っていたのですが)、時間切れ。先ほども言ったように、ちょっと1回の戦闘に時間をかけすぎてしまったのと、あとねえ。松本さんがねえ。遅刻してきてねえ。2時間ほどねえ。開始が遅れたんですよねえ。うん。
ともあれ、次回の21日毎パワーは4/11。事情で2週間しか間が開いていませんが、がんばって後半のシナリオを作ろうと思います。
謎の少年の正体は? デヴィルの目的は? 黒雲の中に現れた謎の人影の正体は? そして、PCたちはデヴィルの目的を砕き、無事にシギルに帰れるのか?
次回、地獄巡り、後半。『神曲』。次回もチョッパーといっしょに、地獄に付き合ってもらおう。
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