大人が懐かしがることもないこともない。

　世界で一番、トラベラーしている小説・アニメ・映画といったら、間違いなくこの『宇宙船サジタリウス』です。トラベラーリプレイを除いたら。

　どこから見てもスーパーマンじゃない。危機一髪を救えない、ご期待通りに現れない。

　いつも借金と義理と人情となりゆきの板挟み。スーパーパワーなんか持ってなく、状況に振り回されつつも、己の正義感とサイフにあわせて最適解と思える選択肢を選んでいく。

　『みんなビンボが悪いんや』

　時には物語っぽいご都合主義的偶然が入ることもあるけど、それはＧＭ（レフリー）の温情にしか思えないほどにささやかな物で。

　どう考えてもトラベラーです。

　こんな地味なアニメが金曜夜７時半から子供向けに放映されていたんだなあ。素晴らしいなあ。俺が見たときには大学生でしたけどね。

　他にトラベラーしている小説、アニメと言ったら、以前書いたこともある『大航宙時代』（ネイサン・ローウェル）とか『若き女船長カイの冒険』（エリザベス・ムーン）とか『エンジェルズ・ラック』（ジョー・クリフォード）もそうなんですが、やっぱり圧倒的にトラベラーティストが強いのはサジタリウスです。

大航宙時代

若き女船長カイの冒険

エンジェルズ・ラック

（いずれもアマゾンリンク）

　もちろんトラベラーは、単に宇宙船を駆って宇宙貿易をするだけでなく、宇宙傭兵になったり、軍人になったり、流れ者になったりと色々なシチュエーションで楽しめるシステムではありますが......やっぱ、サジタリウスだよなあ、サジタリウス。

　第５クールだったか第６クールだったか、そこらへんあたりから、ちょっと冒険の度合いが変わって、派手に、そしてご都合主義的になってしまうんですが、最初の１年分は確実にトラベラーです。......と、思って、今ちょっと調べたら、レンタルでは４８話（第４クール）までしか出てないのね。販売会社が倒産したので。そっから後ろも見たいような気がするんですが、先ほど言ったように、ちょっとアレだったような記憶があるので、見ない方がいいかな。Ｇｙａｏ！では最後まで見られるらしいけど。

　というわけで、ぼちぼち見ながら、トラベラー熱を蓄熱してます。