メックウォリアミニキャンペーン『栄光は誰がために』。

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 キャンペーンタイトルは第3回目直前につけました。だってこのタイトル、けっこうネタバレなので(笑)。

 で、メックウォリアの、前回までのあらすじと今回のプレイリポートです。

 

キャンペーンは全3回です。参加してくれたのは次のみなさん。(敬称略)

 

テオドシアス(ダナイア・フェイバーノール(メック戦士)/フェイス・キアラン(偵察兵)):ブラックジャック

ランドル(バイマン・バートラー(メック戦士)/タタラム・ガーランド(整備兵)):シャドウホーク

はうつむり(ファスパル・アスタロッテ/マリークレーリー):フェニックスホーク

浅井(ごめん、名前忘れた):グリフィン

松本(サブマスター/エバル・オーバーヘッド(傭兵部隊隊長))

佐伯(サブマスター、3回目のみ参加)

 

メックウォリアでは、プレイヤーは二人のキャラを持つのが標準になっています。つまり、メックに乗る「メック戦士」と、メック以外の部分の冒険をやる「偵察兵/整備兵」です。後に、これを一人に統合するルールが発表され、公式リプレイも2本目はそのルールで運営されていますが、今回は基本ルールに沿ってふたりのキャラをもってもらうことにしました。

 松本さんは、戦闘ではマスター側に立って敵メックを動かしてもらうサブマスターをやってもらいましたが、TRPG部分では、傭兵部隊の部隊長で傭兵部隊の所有者でもある貴族キャラ、エバルをプレイしてます。

 

※※※

 

 さて、あらすじの前に、簡単にメックウォリアの世界設定を。

 時代は31世紀、人類は宇宙に広がっていた。だがその文明は最盛期を過ぎ、徐々に衰退を始めている。絶頂期に作られたいくつかの技術はロストテクノロジーとなり、その技術で作られたものは、修理は出来ても新製品を作ることを出来ず、せいぜいデッドコピーを作るのが精一杯。メックと呼ばれる大型ロボットもそういった機械のひとつである。

 だがそれでも人類は争いをやめてなかった。人類の領域は5つに分かれ、互いに覇権を争って、色々な惑星で戦争を繰り返していた。その主力がメックである。

 プレイヤーは、メックを有した傭兵部隊となり、各地の戦場を渡り歩く......。

 

【第1回目あらすじ】

 銀河を五分する勢力のひとつ、自由世界同盟。そこの貴族エバル・オーバーヘッドが所有する"エバル"部隊は、歴戦の勇士で構成された傭兵部隊である(キャラクターは「新兵」ではなく、「古参兵」で作ってもらった)。そのエバル部隊に任務が下った。

「惑星ガーランドにて、治安任務に従事せよ」

 傭兵任務としては比較的気楽な方に入るこの任務のために、エバル部隊は降下船"エバルの栄光"号で惑星ガーランドに向かう。だが、"エバルの栄光"号がガーランドのA席軌道上で周回している時、突然艦内で謎の爆発が起こる。"エバルの栄光"号は大破し、軌道を外れ、惑星ガーランドへと墜落していった。

 乗員たちの文字通り必死の努力で、"エバルの栄光"号はなんとかジャングルに不時着をするが、すでに乗員の3/4が死亡し、残りの乗員もかなりの数が負傷をして、壊滅状態だった。動ける者は艦長エバルを含めて12名(つまり3人がNPC)。宇宙船航行要員はほとんどが死亡か行動不能という状況。

 とにもかくにも、PCたちは不時着地点周辺を偵察に行くが、そこは敵勢力ドラコ連合・クリタの制圧地域であった。ドラコの傭兵と小競り合いが起きるが、この戦いでなんとか勝利し、PCたちはメックの補修に必要な資材と失われた地上行動用の装甲車両を2台、手に入れた。

 

【第2回あらすじ】

 前回得た資材で修理をするものの、降下船"エバルの栄光"号は大気圏離脱するだけのエンジン出力を得られない状態だった。気圏を航行しながら、味方である自由世界同盟の勢力圏まで惑星を横断しなくてならない。

 "エバルの栄光"号は主に夜、航行をしながら、敵勢力圏内を移動する。だが不時着から2週間後、ジャングルでドラコの基地を発見する。この基地は、ここらへんに潜むゲリラとの紛争の最中だった。ドラコの基地の警戒ラインを隠れて突破するのは不可能と判断したエバルとPCたちは、食糧もつきかけていたので、ゲリラと接触を取ることにする。

 ゲリラとの食料と資材の交換は成功したが、共闘の約束を取り付けるのには失敗した。それどころか、ゲリラはドラコと内通して、栽培した麻薬をドラコに売り払っていたのである。ゲリラはドラコにPCたちの情報を売り、そしてドラコが「迷い込んできた美味しい獲物」として、"エバルの栄光"号に襲いかかる。

 PCたちは果敢に戦い、逆に返り討ちにし、鹵獲したメックと引き替えに、警戒ラインの通行を黙認させたのだった。

 

【第3回あらすじ】

 "エバルの栄光"号はついに、惑星ガーランドの自由世界同盟勢力圏とドラコ勢力圏との間にある緩衝地帯にたどり着いた。だが、ここに大きな都市があった。この都市はドラコの大きな拠点があり、ドラコの中でも特に士気の高いクリタ家とその直雇の傭兵部隊が駐屯している。

 都市を偵察したPCたちは、情報を収集するが、決定的な情報は得られない。時間だけが無為に過ぎていく。

 もはや強行突破しかないかと思われた時、後方から自由世界同盟を名乗る黒い降下船が近づいてきた。だがエバルの第六感が、メックを準備させる。

 果たして、その黒い降下船はメックを降ろして砲撃を開始する。"エバルの栄光"号は後ろから追い立てられる格好で、都市の中に逃げ込んだ。

 なにも知らないクリタの傭兵たちは慌てて、これを迎え撃つ。かくして、クリタ・PC・謎の黒いメック部隊の三つどもえの市街戦が始まった......。

 

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 戦闘の最中、降下船のエバルの元に、通信が入る。エバルの母と幼い弟からのものだった。エバルの部隊の抹殺を企み、"エバルの栄光"号に爆弾を持ち込ませ、黒い傭兵部隊を送り込んだのはすべて、エバルの母の謀略だったのだ。無能なエバルが本格的に家名を汚す前に抹殺し、弟に家督を継がせようという陰謀だ。

 PCたちは手慣れた黒い傭兵部隊に手こずり、メック2機を失う手ひどい損害を出す。だが、クリタの防衛部隊の目を黒い傭兵部隊に向かせることに成功、防衛部隊の要・アトラスが黒いメックたちを攻撃し始めた。PCたちは他のクリタメックを撤退させることによって突破口を開く。

 戦場の趨勢が決まり始めたところで、黒い傭兵部隊はエバル抹殺を断念、撤退を始めるのだった......

 かくして、エバルはその悪運と優秀な部下たちによって守られ、自由世界同盟に生還することが出来たのである。

 

※※※

 

 というわけで、ラスト戦闘の最後の方はちょっとぐだぐだな感じにはなってしまいましたが、なんとか思うところにお話が着地して、結着がつきました。積み残したネタも大量にあるのですが(母親が自分の命すら狙っているということを知ったエバルとか、メックを失い家族(マフィア・ファミリー)に連れ戻されたダナイアとか)、ひとまずはメックウォリアミニキャンペーン、閉幕です。

 

 それにしても強烈だったな、エバルのキャラ。

 あらすじ見ると、まるで海外宇宙ミリタリーSFの主人公みたいですが、キャラ紹介のところで述べたとおり、完全な意味でのPCでもメック戦士でもありません。「傭兵部隊隊長をやって」と言った以外の打合せなんかひとつもしていないのですが、エバルがお話の軸のひとつになってしまっている。それというのも、エバルのキャラクター性が猛烈に濃かったので、それに引きずられたというかインスパイアされてこんなになってしまいました。

 サブマスターと言ったって、ストーリーに関してはなんの情報も知らしてはいません。戦闘に突入した時、マスターが敵メックを動かすのを手伝ってもらっているだけです。ですから、エバル自身は他のPCと同じ条件でプレイしています。それでもこれだけ強烈だったのはエバルのキャラクター性ゆえ。

 エバルは徹底して無能指揮官です。「みんな、がんばるんだ。私の名誉のために」と戦闘前の激励ブリーフィングで堂々と言い放つとか、整備兵に「偵察兵は見捨ててもいいから必ず戻って来い。私を守るメックの整備が出来なくなるから」というとか、それはもう、なんというか、見事な貴族指揮官ぶりでした。旧ソ連の政治将校並みだわ。

 

 文字で書くとそれはもうどうしようもない男なんですが、松本さんが演じると、なんだかどうにも憎めない無能上官なんですよね。しかも、その言い放つのも悪意は無いが、別に放言というわけでもなくて、ちゃんと状況的に政治的最適解になるような選択肢のひとつを選んでいるという。なかなか素晴らしい。

 なので、降下船の謎の爆発がエバルを狙ったものだとわかった時も、プレイヤーの反応は「ああ、やっぱり......」でした。それくらい、エバルの問題児ぶりにプレイヤーが納得していたという。だけど、だからと言ってエバルのもとを離れると言うこともないわけですよ。希有なキャラですね。

 それどころか、プレイヤーたちもだんだんエバルの行動に影響されて、どんどんエバル的な発言が多くなっていく。その影響力の濃さは、確かに主役級でした。

 

 松本さん、サブマスターご苦労様でした。

 プレイヤーのテオドシアスさん、ランドルさん、はうつむりさん、浅井さんもありがとうございました。

 それと、今回サブマスターとして第3勢力の黒い傭兵部隊を動かしてくれた佐伯さんもありがとうございました。佐伯さんが来てくれたので、第3勢力を出すという展開に出来ました。来てくれなかったら、別々に二回の戦闘にしようと思っていたのですが。同時に出せたおかげで盛り上がりました。あと、戦闘も、佐伯さんの解説と指導のおかげで素早く回すことができました。あれ、ずいぶん時間の節約になりましたよ。その上、その解説の間、私は物語の方に集中することが出来たし。

 

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 ところで、せっかく小道具をたくさん作ったので、また、そのうち、メックウォリアかバトルテックをやりたいものですね、みなさん。

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このページは、makiyamaが2015年5月17日 12:43に書いた記事です。

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