D&D5e『クリスタル・シャードの影』最終回。

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 月曜日は平日だというのに遊んでしまいました。D&D5eのセッションです。『クリスタル・シャードの影』、その第3回にして最終回。

 正直、前回で提示された陰謀がでかすぎて、「これ、あと1回で終わるのかよ?」と思ったのですが、なんとか、終わりました。すごい。ラストは「俺たちの戦いはこれからだ!」的に、最後の戦いに向かうところで終わりましたが、まあ、あれ半分以上消化試合で、物語の陰謀に関する部分やPCの関与する部分に関してはきちっと終わりました。

 いやはや。面白かったです。マスターの腕も、プレイヤーの共鳴もありますけど、シナリオも面白かったことは間違いない。

 で、色々悩んだのですが、この面白さを伝えるためにはストーリーを紹介するしかない! と思い、あらすじを書くことにします。だから、ネタバレがイヤなひと、他の人がマスターしてくれる予定のあるひとは「続きを読む」を読まない方がいいかも知れません。特に「※※※」で挟まれた部分。

 

参加者は、

桂.........DM

藤浪......赤ひげ(ドワーフ/ファイター)

松本......デュトロ・キャンター(エルフ/ウィザード)

私.........ゼノ(ヒューマン/ローグ・クレリック)

今回はLv3。

 

ちなみにこのシナリオ、どうやらD&Dエンカウンターズでプレイされたもののようですね。面白いわけだ。

※※※

【第1回あらすじ】

 フェイルーンの北の大地、アイスウィンド・ディルのブリン・シャンダーという町にやって来たPCたち一行。だがその町直前で怪物に襲われる。町に来て尋ねれば、最近、もっと北方に住んでいるはずの怪物たちが南下してきて、ブリン・シャンダーを初めとするテンタウンズを脅かしているという話だった。なにかがこの北方の地で起きていると予感するPCたち。

 町にはあちこちにいざこざの種がくすぶっていた。だが、PCたちがもっとも見過ごせなかったのは、広場に縛られた北方蛮族の青年ヘンガーだった。彼は盗みの疑いで、広場に縛られていたのだ。寒いこの地方の冬の夜に、広場に放置されれば確実に死ぬ。PCたちは彼を助け出し、彼を盗人と訴えた商人の家に向かう。だが、そこでは商人はおらず、犯罪組織の男たちが見知らぬ男を拘束し、今まさに彼を殺さんとしていたところだった。男たちの言葉から、拘束された男が正義の秘密結社ハーパーのひとりと知ったPCたちは助けに飛びこむ。だが、犯罪組織の男たちは途端にワーラットに変身して反撃をしてきた。

 ハーパーの密使は殺されてしまい、犯罪組織の幹部スリムは逃してしまうものの、銀の武器も持たないPCたちは健闘し、ワーラットたちを倒した。そして、ブリン・シャンダーの盗賊ギルドが、南方の盗賊都市ラスカンからやって来たワーラットたちによって乗っ取られていることを知る。ワーラットたちはブリン・シャンダーだけに限らず、テンタウンズ全体にその魔手をのばしつつあったのだ。

 このことを市長に警告し、PCたちはヘンガーの部族を助けるために、さらに北方の蛮族たちの領地に向かう。100年前、結ばれたテンタウンズと北方蛮族たちとの盟約「互いの危機には助け合う」を果たすために。

(導入部分のシナリオはHJ社で無料公開されています)

『クリスタル・シャードの影』ローンチ・ウィークエンド

http://hobbyjapan.co.jp/dd/support/files/Legacy%20of%20the%20Crystal%20Shard_online_scenario.pdf

 

【第2回あらすじ】

 PCたちとキャラバンは、北方蛮族の居住地への道すがら、ドワーフの町に立ち寄った。キャラバン隊長はこの町出身のドワーフ商人で、ここで商品を仕入れるつもりだったのだ。

 だが、ドワーフの部族では内紛が起きていた。ドワーフ鉱夫長が族長に反旗を翻し、自分が新族長になると宣言、前族長を閉じ込めてしまった。前族長はキャラバン隊長の従兄弟でもあり、商人の依頼で前族長を救い出すことになる。

 いろいろ調査をした結果、どうやらドワーフ鉱夫長は鉱山で「黒い氷」を掘り当ててから様子がおかしくなったらしい。黒い氷という言葉に、100年前この地で起きた大規模な戦いを思い出すデュトロ。その戦いでは、意識を持ったクリスタル・シャードが魔法使いや悪の軍勢を動かし、蛮族やテンタウンズを征服しようとしたのだ。

 もしや、あのクリスタル・シャードが、復活しようとしているのでは......? 今回のこの一連の事件は、そこに連なるのでは......?

 PCたちは忍び込み、前族長を救い出す。彼らから聞くと、鉱夫長をそそのかしたのは外部から来たフードを被った女だった。この女がクリスタル・シャード復活を企む連中のひとりらしいとふんだPCたちは、彼女がちょっかいを出さないよう、鉱夫長に名誉をかけた一対一の勝負を挑んだ。相手をするのはフォーク・ヒーロー、赤ひげである。

 戦いは互角だったが、ついに赤ひげが勝った。女は逃げ出すが、PCたちは追いかけ、ついに倒す。

 共に戦った蛮族・ヘンガーによれば、彼らの部族のシャーマンは死者の知っている情報を聞き出す降霊術の儀式を知っているという。彼女の死体を運び、PCたちは北方蛮族の居住地を目指すのだった。

 

【第3回】

 北方蛮族の居住地にたどり着いたPCたち。そこで、デュトロは旧知のシャーマンと再会する。

 ヘンガーは北方蛮族でもヘラジカ族と呼ばれる部族に属している。そして、今北方からクマ族がヘラジカ族の領地を侵してきているのだ。クマ族もまた、クリスタル・シャード復活を企む連中に操られているのではないかとの疑念。実際、クマ族族長の元には最近、怪しい不死身の「雪の魔女」が着いているという。現に、ヘラジカ族一の弓の射手フォルノアが彼女を撃ち抜くも、彼女は死ななかったのだ。

 すでにクマ族はヘラジカ族のものを何人も捕らえていて、それを何らかの儀式に使うつもりらしい。PCたちとヘンガー、弓の射手フォルノアはクマ族の居住地に忍び込み、急襲をかけた。

 

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 クマ族はあっさりと倒せたが、雪の魔女と彼女の操るホワイトドラゴン・ゾンビの前に、ヘンガーが倒れる。それでも、雪の魔女を追い詰めるが、彼女を倒すとただの雪の塊になってしまった。彼女の正体は、この地を支配する冬の女神だったのだ。

 彼女の口からこの異変の真相が明らかになる。一連の事件は冬の女神と黒のクリスタル・シャードの、この地の支配権を賭けたゲームだったのだ。お互いに手駒を増やし、あるいは潰し、あるいは捨て駒にしながら、さながらチェスのようにこの地の支配を争っていたのだ。

 PCたちはどちらに加担するかの選択を迫られる。

 クリスタル・シャードは確かに邪悪な存在だが、冬の女神もまた無慈悲で、人間を隙あらば滅ぼしたいと考えている。それでも、今まで冬の女神の元でなんとか人々は生き延びてきたのだから、クリスタル・シャードよりはマシだろうと言うことになり、PCたちは冬の女神に手を貸すことにした。

 

 PCたちはシャード復活派であるラスカンのワーラットたちの陰謀を阻止するべくブリン・シャンダーにヘラジカ族・クマ族・ドワーフたちの軍団を率いて強行軍で戻るが、時すでに遅し。ブリン・シャンダーは冬の女神の軍団に包囲されていた。そして、それに対抗しているブリン・シャンダーの兵士たちは、皆、ワーラットになっていたのだ!(ワーラットは、ライカンスローピーと言って狼男のように伝染する)

 それでも、まだワーラットに感染していない人々が町のどこかに隠れているに違いないと、PCたちは町に潜入することにした。

 その途中、地下でハーパーの密使のひとり、ミサンを助け出し、町の情勢を聞くことが出来る。ワーラットになっていない人々は寺院に逃げ込んでおり、市長たちは市庁舎に立てこもっている......この事件の黒幕のひとり、ギュントといっしょに!

 ギュントが黒幕のひとりだとは知らない市長を助けるべく、PCたちは休息もとらず市庁舎に向かうが、市庁舎はすでに破壊され、いにしえの黒い氷の塔になっていた。そして、そこで、今まさに市長がワーラットにされようとしていたのだ。駆け込むPCとミサン。

 ゼノの力が戻っていなかったが、デュトロのスリープが3連続で炸裂し、ギュントを封じ続けている間に赤ひげがスリムや他のワーラットたちを倒す。

 だが、これで戦いは終わりでなかった。クリスタル・シャード復活の首謀者、黒の魔法使い、アカル・ケッセルとの決戦だ。

 雪の魔女が現れ、PCたちに加勢してくれるが、その力は限定的でPC並み。はげしい戦いの中でゼノが倒れデュトロが倒れるが、赤ひげと雪の魔女が黒の魔法使いをついに倒す。

「加勢してくれた褒美を取らせよう。なにがよい?」

 冬の女神の申し出に、デュトロは、この地の100年の平安を誓わせた。

 かくして、アイスウィンドディルにしばしの間、平和が訪れることになる。

 あとは、PCたちは指導者を失ったワーラット軍団を排除すればよい。

 PCたちは充分な休憩のあと、最後の戦いに赴くのであった......。

 

※※※

 ラストは「俺たちの戦いはこれからだ!」的なエンドですが。

 

 うん、まあ、自分で書いてみて思うのだが、すごい英雄冒険物語ですな、これ。

 ロールプレイ部分では、名前を出せば誰でも知っているというフォークヒーロー(地元で有名な地方英雄)赤ひげや、ヘラジカ族と深い関わりがあり、最初にクリスタルシャードの欠片を手に入れて謎解きのきっかけになったエルフのふたりに負けてしまいましたけど、まあ、脇役キャラとしていいところ突いてたと思いますよ、ゼノ。たぶん小説に書いたら、頼りにはなるが性格は印象に残らないキャラになってしまうんでしょうけど(笑)。

 まあ、プレイヤーが藤浪さんと松本さんと私ですからね。しゃべるな考えるなと言われたとしてもそんなこと出来るわけが無いメンツです。陰謀を推測し、行動に移し、どんどんさくさくと話を動かしたけどだからと言って考えないわけではなく、むしろかなりいろいろと考え準備を怠らず、かなり素晴らしい行動をとったと思いますよ......私以外。私は2回目3回目と仕事をしながらだったし、藤浪さんと松本さんがフル回転してましたからね、彼らにおんぶに抱っこにならない程度に意見とキャラ行動を決めてました。

 DMやシナリオに操られている感も少なく、かといってヒーローっぽく格好良く決めようみたいなあざとい演技の感じもなく、自然体でしながら、さくさくとストーリーを納まりよく進められたのはやはりプレイヤーとDMの"共鳴"だと思います。

 

 ただね、このフォークヒーローとか、そういうのは5版から導入された背景というルールですね。いや、正確には4版でも背景とか、バックグラウンドとかプレイヤーズオプションとして入っていたわけですが、それがさらに強力に入って来た。古いD&Dを知っている人になら、「アライメントと同じくらい強力に影響する」と言えば判るでしょうか。

 もちろんDMがどれくらいそれを重視するかにもよりますけど(ここらへんも昔のアライメントと同じ)、シナリオフックやキャラの動機付けとして強力になったのです。藤浪さんはいたく気に入って「これ、他のゲームにこの部分のルールだけつけられますね」と言ってました。

 あと人格的特徴とかもありまして、これに沿ってロールプレイをすると、インスピレーションというポイントがもらえる。1シナリオ中1回しか使えませんが、これを使うと「有利」をもらえ、判定ダイスが2回振れます。ロールプレイするひとは有利だけども、ロールプレイしなくちゃ先に進めないってほどでもなく、日本のTRPGシステムからすればかなり控え目なロールプレイ推進エンジンですが、いい感じです。

 ベテランの方にはこれの存在を嫌っているひともいるみたいですが、まあ、使わなくたって、無条件の「有利」が取れないだけで、「有利」を取る手段は他にもたくさんありますので。

 

 でもってですね。第3回の前半の我がキャラ、ゼノの活躍については触れておかねばなるまい、です。

 いや、すごかった。特に最初の2回の戦闘。全部で10回ぐらい命中判定を振ったと思うのだけど、その全部に「有利」(命中判定のダイスがふたつ振れる)が着いた上に、20のダイス目が出る、出る。10回中4回くらいは20の目クリティカル。ダイスの目が走った。走りまくりましたよ。このほかに、技能判定やイニシアティブでも20の目が出まくりました。

 ダイスの目も走ったんですが、実はひとつ自慢したいのが、ゼノのビルド。欺きの領域のクレリックが2レベル、アーケイントリックスターのローグが1レベル。ローグは「有利」が取れれば、ダメージに追加ダイスが振れるのですが、欺きの領域のクレリックは神性伝導で、自分と同じ幻影を出すことが出来、これが同じ敵に接敵していると、敵は混乱し、「有利」が常に着くという素敵な技を持っています。つまりですね、この神性伝導が使えるうちはゼノは常にダメージダイスを追加出来るのです。

 もちろんこのビルド、3レベルになるまではどちらかの一本上げキャラより弱いんですが、ことここに至って爆発したわけです。......て言うか、このコンボ、気が付いたのは2回目の後半、次クレリックとローグとどっちのレベルを上げるか考えていた時ですね。

 で、後半は休憩を挟まないでやったおかげで、この神性伝導:幻影が出せずじまい。ダイス目もさっきの帳尻を合わせるかのようにしょぼーんな感じになってしまいまして、敵の前に倒れることになってしまったのです。死亡セービングスローもツーアウトまでいったしなー。危なかった~。

 

 とまあ、4版のコンボ、3版以前の戦闘のタイトさを兼ね備えて、第5版、いい感じのシステムになっています。

 今回プレイした範囲では、無料公開ルール部分なのですが、これ、有料サプリを買ってキャラクラス用ルールを付け加えると、もっと面白く、そして少し強くなるらしいです。そういう商法でいくようです、ウィザーズ・コースト社。ソーシャルゲームで言うところの課金ですね、このビジネスモデル。

 

 あ~~~あ。日本語版でないかなあ。(アメリカの方を向いて)

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このページは、makiyamaが2015年5月19日 17:09に書いた記事です。

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