以前もちょっと説明しましたが、効果レーティングという考え方があるTRPGシステムがあります。判定の結果を、ただの成功・失敗のふたつに分けるのではなく、「ぎりぎりの成功」「よりよい成功」「とても素晴らしい成功」という段階分けで表現するシステムです。
昔はけっこうたくさん有ったのですが、最近ではあまり見かけません。ですが、無くなってしまったのではありません。クリティカル成功やファンブルは大抵のシステムに存在します。失敗・成功・クリティカルと、それほど細かくはないですが、これも効果レーティングと呼べるでしょう。
効果レーティングを導入したシステムといえば、『007:ジェームス・ボンドアドヴェンチャー』が真正面から扱っています。成功値の、そのまた何%以下の数字をダイスで出せたかによって、効果レーティングが変わるのです。例えば、成功値50の判定に、25を出して成功したとすれば、もとの成功値の50%ですから、レーティング4で成功したことになる......といった具合です。
また、国産モノでは『アシュラシステム』がこれで、能力値の何倍かで成功値が決まり、判定のダイス目で効果レーティングが決まります。例えば、能力値10のキャラが難易度5の行為に挑む時、成功値は10×5=50、となります。これに、23を出して成功した場合、23は難易度3以下でも成功ですから5-3=2、効果レーティング2の成功となります。
今は無きペースセッター社から出ていた『Chill』や『StarAce』では、成功値の値によって見る欄が違う成功レーティング表を使っていました。また、メタルヘッドは、そのダメージを出すのに、被害者の体力を軸に取った表を見ることによって、「重傷」「軽傷」「即死」などの結果が出まして、これも効果レーティングに近いものがあります。
......と、一時期は花盛りだった効果レーティング判定法も、今ではほとんど見かけません。やはりチャート表を見たり、かけ算をしたりするのが嫌われたのでしょうか。クリティカルやファンブルなど、成功判定以上に出た目に一喜一憂するのはみんな好きなようなので、好き嫌いよりも、手間と煩雑さが問題だったように思えます。
翻って、メガトラベラー。
メガトラベラーでは、「絶対失敗」「例外的失敗」「失敗」「部分成功」「例外的成功」「大成功」などがありますが、その判定によって、使ったり使わなかったりしています。例えば、命中判定は絶対失敗・部分成功・例外的成功・大成功の区分けを採用して、ダメージを算出するのに使います。
......え~、ハッキリ言って、これ、めんどくさいです。
まあ、メガトラの戦闘ルールはこれを採用しているもんだから、ダメージを出すために使うんで、使わないわけにはいかず、なので、私はチャート表を作って戦闘時には対応していますが。
普通の判定の時だと「絶対失敗」「成功」「大成功」がせいぜいです。まあ、これくらいが実用的に動かせる限界じゃないでしょうか。
ただ、私の場合、大成功は、「成功値を4+上回ったら」「成功値を8+上回ったら」「成功値を12+上回ったら」と段階分けをしています。4刻みであることに注意してください......これはメガトラ判定の難易度と同じ区切り方です。つまり、「ひとつ上の難易度でも成功した」「ふたつ上の難易度でも成功した」「三つ上の難易度でも成功した」かどうかを見ればいいのです。これは、チャート表を使わないで済むので、それほど手間ではない、と思います。
(ってぇか、サイコロでいい数字出して成功した時、無意識にこの計算やってません?「よしっ、難易度・至難でも成功したぞ!」とか)
で、難易度をいくつ上回ったか、をそのまま効果レーティングにするわけです。効果レーティング0の成功、効果レーティング1の成功......といった具合。これを色々な判断に応用するわけです。
例えば、ロボットを使って、荷物を大急ぎで積み替えなくてはならない場合。UTPで表記すると、これは[並 <ロボット操縦> 敏捷]かな。
並だから7+で成功なワケですが、これを11出して成功したら+1成功なので、(同じ時間内に)倍の荷物量が運べた。15で成功したら、3倍の荷物量が運べた。そう判断するのです。
効果レーティングの概念を導入すれば、サイの目でいい数字を出した時の喜びがひとしお。私はサイコロを振るのが好きで、いい数字を出したら喜びたいクチですから、効果レーティングを導入します。世の中には、サイコロに一喜一憂するような運任せのTRPG進行はダメだと、嫌うひともいるので、そういう人にはお勧めしませんね。
メガトラでは効果レーティングを導入しても、チャート表は使わずに済むので、非常にスマートに、手間が最小限になります。お勧めです。
しかも、この効果レーティングを導入すると、さらに面白いシステムが導入出来ます。支援判定です。これについては、また別の項で。
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