さて、昨日のD&Dで4版がどーの、5版に移行がこーのなんて話をしたわけですが。
D&Dも版を重ねるごとにかなり変遷を重ねてきたTRPGシステムなのです。というか、元祖TRPGだからこそ、歴史がやたらと長くて、そのためにいろんな目にあっている、といえますね。
まあ、世界で一番最初、初めての元祖RPGである、というのは有名な話ですが。
D&D第1版のあと、D&DはアドバンスドD&D(AD&D)とD&D第2版に別れます。ルールを詳細に、細かくしていく方向性に行ったのがAD&D、プレイアビリティを高めて簡単にしていったのがD&D。そして、D&D第2版が日本語に翻訳され、いわゆる「赤箱」と呼ばれる新和版D&Dになります。それから少しして、AD&Dは2版になって日本語に翻訳。そのあとD&D2版が少し改訂されて電撃文庫から再翻訳出版。
(写真はネットで拾ったもの。物置から出してきて撮影するのがめんどくさかったので)
ここで、アメリカの版権者TSRが潰れまして、D&Dはうろうろしたあげく、ウィザーズ・コースト社に買われ、ウィザーズ・コーストで整理され、再編成されたD&D3版が出ます。これは、AD&DとD&Dを統合したものと言っていいでしょう。つまりそこそこ詳しいルール、そこそこ遊びやすいシステムになりました。ACやセーヴが目標値表記になるとかいくつかリファインされてますが、まあ、ここまでは確かにD&Dでした。
問題は第4版でして。
最初にやった時、なにがどうなったのかわからないくらいに戸惑いました。「なにを言っているかわからねーと思うが」という、まさしくあんな状態。
これ、D&Dじゃないよね。面白い、いいTRPGだけど、D&Dじゃないよね? そんな感想を抱きました。
コンピュータのオンラインRPG、いわゆるMMOの要素を大胆に取り入れた、とてもタクティカルで面白いS-RPGなんですけどね、第4版て。
この戸惑いは俺だけでなく、アメリカの大多数のD&Dファンが感じたらしく、D&D3版に残った人も続出し、さらにウィザーズ・コースト社の版権を逃れるためにPathFinderという別のFRPGになったのでした。
一方、ウィザーズ・コーストは、この逃げたファンを追いかけるために第5版を出します。
これは、また元に戻って、オーソドックスなものになりました。3版がAD&Dの簡略版だとしたら、5版はD&Dの詳細版ですかね。何回か、このブログ日記で触れてますが、これはこれで面白くて、プレイアビリティと柔軟性が共に高いいいシステムです。
......そう、いいシステムなんですがね。「英語版以外の他言語版を出さない(翻訳権も認めない)」というウィザーズ・コースト社の声明がありましてね。
3版はダメ、4版は継続しない、5版は日本語版出さない、と、D&Dを取り上げられてしまった格好になってます。
せめて3版と4版を販売継続してくれよ。理想を言ったら5版を日本語(他言語)翻訳してくれて、4版も(新製品出さなくていいから)販売継続してくれよ、と。
販売継続でいいんですよ。
実を言うと、販売打ちきり(まだ4版は打ち切りにはなっていないが3版はなった)になると、店頭在庫が回収されて、裁断破棄されます。裁断破棄です。売り切れごめん再入荷なしじゃなくて、回収までして、破棄です。売っちゃいかん、ということになるのです。
勘弁してくださいよう、ウィザーズ・コースト社さん。
5版日本語版出すならともかく、それやらないなら4版取り上げないでくださいよ。
そもそも、4版と3版・5版は完全に別ゲームなんだから、平行して売ってくださいよ。
どうにかなりませんかね、ウィザーズ・コースト社さん。おもしろいエンターティメント・コンテンツなんだから、取り上げないでくださいな。
そういうわけで、今店頭にあるD&D4thサプリを買い漁る日々なのです。使う可能性は少ないんですけどね......。はぁ。
あー、四版のサプリも色々買い逃しているけど、デルヴだけは後の版で代替効かないから買わないとなー、と思い、買いそびれている数ヶ月。
デルヴはすでに手遅れかも知れませんよ。かなりいいサプリなんですけどね。実際面でもコンセプトでも。
今手に入るのは○○ミコン系かプレイヤーズオプション、あと5e翻訳中止の直前に再販された冒険者の宝物庫とダンジョンマスターガイド、多めに刷られたPHB1とモンスターマニュアル、くらいかなあ。
武勇の書~サイキックの書はすでに手に入らないし、プレイヤーズオプションのシリーズも一番最後のサバイバルブックぐらいしかないんじゃないでしょうかね。