『マッドマックス』観てきました(ネタバレあり) 。

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 『マッドマックス』、観てきました。ニョーボとふたりで見に行くような映画じゃないかも知れないけど、まあ『ラブライブ』よりはありかと。『ラブライブ』、テレビ版も、ゲームも観てないですからねえ。

 色々な人が観て、誉めていたので。いやいやいや。私のツイッターのフォロワーですから、偏っているのはよぉく知っているのですけどね。それを承知で見に行きました。

 で、ネタバレしない範囲で感想を言うと。

「減点法なら0点だが加点法なら100点満点で300点」

 というネット上の評判通りの映画でして。いやひでぇ(褒め言葉)。「ひでぇ」が褒め言葉になるあたりで察して欲しい。

最近こういう映画が増えて嬉しい限りです。元気があってよろしい、というか。でも、正直なところ、この映画が今年の映画No.1とるようでも困るかなあ(笑)。

 以下、ネタバレもあるので、ご注意を。

 

 

 ネタバレっていったって、ストーリーについて語ることはほとんどありません。ストーリー自体がない、とか言われちゃう映画だから(笑)。いや、ないわけじゃないですけどね。

 ただ、パターンとして「死にそうな危機に遭う」→「間一髪で助かる、上手いことやる」→「やった、助かった」→「敵が飛び出してきたりして、スコンと殺される」の展開が多かったので。これやって死ななかったのは主人公くらいかな。そこんところは、確かに主人公主人公していましたけどね。

 そうそう。主人公マックスが、本当に強くない。活躍しない。主人公らしいアクションとかしぶとさとか見せたのは、2~3箇所。あとはだいたい、普通です。普通に戦って、普通に敵をやっつけてます。地味です。今時のアクション映画の主人公にしては。『ホビット ~決戦のゆくえ』のレゴラスとは言わんまでも、ビルボくらいの活躍はしてもいいんじゃなかろうか。

 そういった観点からすると、この主人公、なんだか本当にTRPGのPCキャラクターのようです。どひゃっという活躍やアクション見せないところなんか、本当にそう。最後まで生き残ったから主人公、って感じ。最初の30分、主人公が全然映画のメインストーリーに影響与えないしねえ。

 主人公らしくないといえば、最初の頃の言動もそれで。どう見ても、主人公は隻腕ヒロインの方で、マックスは「最初は信用がおけなかったけども、冒険を続けるうちに心を開き頼りになる仲間になる」キャラクターでしたよ。いきなり女に銃向けて脅して言うこと聞かせようとするしなあ。その銃が本当は壊れているとしても。

 あと、「マッド」といってますが、主人公マックスじゃなくて、世界の方が派手に狂ってますので、タイトルに偽りありだな。主人公は狂っているというより、偏狭で小心者的行動なので。

 

 そう、あのぶっ壊れた世界。あれ、ホロコースト後何年って設定か知りませんけど。マックスの年を考えると、どう考えても20年たってないはずなのに、あのぶち壊れ具合、ちょっとすごいですね。ハッキリ言って、崩壊後100年は経っていそう。というか、たぶん制作者側は、あれ、別の異次元世界に行ったというダークファンタジーレベルで考えていると思いますよ。北斗の拳の世界よりもう一回り二回りぶっ壊れてますからねえ。

 他にもいろいろ、設定上の矛盾や疑問点はどっさりとあって、それらほとんど全部投げっぱなし。

 おまえら、まずかっこいいシーンがいくつも考えついて、それを繋げてストーリーと設定作ったろ、という感じです。

 もちろん、そうは突っ込むけど、それはディスってるんじゃなく、楽しんでいるんです。疑問点だらけだけど、笑って許せるほど、楽しい......というか、面白い......というか......う~~ん、どの表現もちょっと的確じゃないな......とにかく、楽しい映画なのです。

 あと、かっこいいというか、すごいというか、いろんなシーンがいちいちいいんですよね。(まあ、それだけに、主人公のアクションの普通さが余計際立つのですが)

 

 まあ、一言でいうなら、「死人がバンバンでるお祭り騒ぎの映画」というのが一番近いんじゃないかな。だから、見終わったあと、(ストーリー的には)ほとんどなにも希望らしい希望はないのに、にこにこしてしまうような気分になります。

 

 

 まあ、そんなわけで、普通の感想は他のサイトでも読めるでしょうから、TRPG者としての感想を。

 ウォーボーイズって、あの連中、D&Dのオークかゴブリンだな。

 熱狂して死を渇望しながら戦いに赴くところとか、死ぬ間際にワンアクションしてくるところとか、どこかカルト部族的なところとか、オークみたいです。

 あと、自分や仲間の命をちっとも尊重しない数々の作戦はM:tGのゴブリン軍団みたい。仲間を長い竿の先につけて、走っている他のクルマに乗り込ませたり、手榴弾放り込んだりといった戦法が。

 ウォードラムやウォーシンガーも出てくるしねえ。巨大なクルマにドラム数台乗っけて、それをドラマーが叩いて、ギタリストがヘビメタ奏でて、敵に突っ込むのですよ。ああ、なるほど戦場の熱狂というのはこういうものなのかと思いますよ。戦場でノリのいい、勇ましくてドンドコ腹に響くアップテンポの音楽聴かされたら、それこそ熱血アルファ波出まくりでしょうね。D&D4thのヒットポイントも増えるってもんだ。

 

 マッドマックスをTRPGでやろうと思ったら、素直には『カーウォーズ』&『ガープス』なんだろうなあ、と思うのですが、明日のない崩壊していく世界をやるならガラコでもいいかなとか。

 そう、劇中のクルマの扱いをロボットに置き換えたら、結構日本アニメっぽいかも。って言うか、あれ、日本で作ったら、アニメで、ロボット物になるな。間違いなく。

 実はザブングルにも似ているなと思ったのですが、ザブングルには悲惨さがないからなあ。むしろ開拓の、未来への希望が満ちあふれている。同じ暴力と粗雑さが支配する世界でもね。ここらへんは興味深いところです。だから、ザブングルRPGでマッドマックスはやりませんが。

 

 それにしても、あの撮影で、本当に死人がひとりも出てないの?

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このページは、makiyamaが2015年6月26日 23:57に書いた記事です。

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