『Heaven & Earth』の話。

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 Heaven & Earthという名前のソフトがありまして。

 たしか、Heaven & Earthって名前のロックバンドかなんかがありましたよね。たぶん関係ないと思うのだけど。きっと、なんか英語の定型の表現なんでしょうね。直訳すれば『天国と大地』ですが、たぶんこれは『天と地と』と訳すのが一番近いんでしょう。Heavenは空、つまり大気のことのようですし。

 で、なんのソフトかと言いますと、トラベラーのサポートのためのソフトなんですね。

 

 トラベラーには惑星を作るルールがついています。つまり、冒険の舞台となる星系の主要惑星の様々な要素をサイコロで決めるルールです。

 トラベラーでは惑星のデータはUWPと呼ばれる一連の数字で表記されます。A788899-Aとか。最初のアルファベットは宇宙港クラス。2つめは規模(大きさ)、3つめは大気タイプ、4つめは惑星表面での水界の割合、以下、人口、、治安レベル、政治形態コード、最後のハイフンのあとがテクノロジーレベルとなっています。

 つまり慣れている人がこの数字を読めば、惑星のイメージが湧くというわけです。A788899-AだとAクラス宇宙港(結構開けている)、地球と同じ程度の大きさ、標準大気、8割方が海、人口は100,000,000人~900,000,000人クラス、治安は大変よく、客観的官僚政治、テクノロジーは核融合炉や反重力機械はあり、ジャンプドライブをつけた宇宙船も建造出来るが、自律型のロボットはまだ、くらい。まあ、さすがに政治形態コードは暗記してませんけども。

 というわけで、これだけ手がかりがあるとかなり明確なイメージな、惑星の都市のイメージが出来るわけです。もちろん、それだけだと「未来都市」以上の何者でもありませんが、まあ、地球だって、すべての都市がそんなに特徴的なわけではありませんから。象徴的建物(スカイツリーやドバイタワー)が無ければ、あまり知らない人には区別の付かない街だって多いですしねえ。

 でこれをサイコロを使って無作為に決めるシステムがあるのですよ。もちろん、惑星の大きさは大気に影響を与えますし、人口の多さは治安レベルに影響を与えます。そういったことがルールになっているワケです。

 これを使って、まったくオリジナルの惑星、星系を作れるのです。

 

 背景世界があるのに、なんでこんなルールがあるのか。

 実は逆です。

 このルールがあって、それを使って作ったサンプルデータが、トラベラーの背景世界、「第三帝国」なのです。そう、最初はアレ、公式背景ではなく、単なるサンプルだったのですよ。

 けれど、当たり前の話ながら、サンプルデータを使ってシナリオ組む方が作りやすく、気が付くと、サンプル背景が、正式設定になっていたのでした。

 

 とまあ、なかなかに素晴らしい世界作成ルールなのですが、これはあくまでもひとつの惑星のデータを作り出すだけ。ひとつの星系には大抵、惑星はひとつではなく複数あります。これだけの未来世界なら、惑星だけでなく当然衛星のような小さな星にも人が住めるでしょうに、それに関しての作成ルールはない.........無かったんです。基本ルールには。

 サプリメントで補強されまして、『偵察局』というサプリで、星系全部の惑星、衛星を作るルールが付け加えられたのですよ。

 これで、ひとつの太陽系を丸ごと、作ることが可能になったのです。惑星を飛び出、ライバルを衛星にまで追いかけて行って、ガスジャイアントの向こうのアステロイドでドンパチ......というようなことが詳細なデータ付きで可能になったわけです。

 しかし、ですよ。これはさすがに、結構めんどくさい。大量にあるから。

 この太陽系だって、惑星は9つ、アステロイドベルトはひとつ、さらに各惑星には衛星を持つものもある。木星のエウロパなんか、かなりの大きさがあるんだから、宇宙時代には移住だって可能なはず。すごい量の惑星、衛星のデータを作らねばなりません。

 

 それを支援してくれるソフトが、この『Heaven & Earth』なのです。

 

 H&E.PNG

 

 すべてランダムに主要世界から作ることも出来るし、主要世界のデータを打ち込んで、それを元に他の惑星、衛星のデータを作成してくれることも出来る。もちろんコンピュータですから、データ自体の作成はほんの一瞬です。うちのPCで、5秒くらいかなあ。手作業でやったなら、たぶん慣れてても3時間はかかります。

 これだけでもかなりすごいのですが、さらにこのソフト、惑星地図詳細な惑星データ(地軸の傾きや自転周期公転周期、平均気温など!)、さらに異星生物との遭遇表、NPCとの遭遇表、惑星の人々のメンタリティのパターン、今流行っているもの......等々、たくさんのデータも作ってくれます。もちろん主要惑星のだけでなく、小さな衛星一個一個にまで。

 ここらへんはどうやらTNEかGURPSトラベラーでのルールを使ったもののようですが。

 ちなみに、星系作成ルールは、クラシックトラベラー、メガトラベラー、TNE、GURPSトラベラー、T4、マングース版トラベラー、T5と少しずつ違うみたいなのですが、クラシックトラベラー、メガトラベラー、TNE、GURPSトラベラーのルールを選ぶことが出来るという。こんなところもまたすごいなあ。

 いやはや。すごいソフトです。正直なところ、このソフトがなかったら、私、リヴァイアサンのキャンペーンなんてやってませんよ。このソフトの支援が得られることが出来たから、13の星系を巡る冒険が出来たのです。

 こんなすごいソフトが、フリーですよ。すごいです。なんでもアメリカの熱心なファンが作ったらしいのですが

 欠点をあげるとすれば、すべて英語であること。少々不安定なこと。あと、IEのモジュールを使っているようなので、IEが廃止される将来的には動かなくなる可能性があること。まあ、これはVMで動かしゃいいだけの話なんですがね。

 

 フリーソフトなので、本当はDL用のリンクを貼って紹介したいところなのですが、実は現在開発が止まってまして、公開もやめてしまったみたいなのですね。なので、リンクも再配布も無しです。本当に残念だ。これじゃ、単に私が自慢しているだけみたいじゃないか。

 まあ、レフリーをやらない人にはどうでもいいことかも知れませんが。

【2015/07/11追記】 ググったら、サイトは更新はされてませんが公開自体は終わっているわけではありませんね。なので、リンクを貼っておきます。

Heaven & Earth

 

 とまあ、こんなすごい『Heaven & Earth』を使ってもですね。『黄昏の峰へ』キャンペーンの舞台になりそうな4つの星域地図にある星系のデータ120星系分を作るのは、かなり骨でした。

 120星系分だものね。

 宙域データが用意されていて、それを読み込ませることによって簡単にデータを入力出来ることに気が付いてなかったら、5倍の時間が......いや。まだ出来ていないに違いない。

 入力をそうやって簡単に出来るようにしても、かなりの時間がかかりましたからね。手動入力だったら......それだけで気が遠くなる。

 

 データは出来たんですが、これをプレイヤーが見られるようにはしてません。HTMLファイルに出力してあるので、リンクを拾っていけばインデックスファイルが出来るはずなのですが......120星域の、各惑星星系に対してそんなことをやるなんて、ヤダ。死ぬ。絶対死ぬ。

 プログラムで自動的に生成するようにするしかないだろうなあ。でなければ、プレイヤーには必要なときに必要なものだけしか提示しないか。

 

 そういうわけで、星系データは出来ました。シナリオもスキャンしておいた。これでセッションの度に、シナリオ冊子を捜しまくらないで済む。

 あとは......宇宙船のデッキプランの用意。最初の惑星と、そこから2ジャンプ以内にある惑星の、主要都市の街マップの用意。そうそう、トラベラージャーナルも用意しておかなくては。

 でもって、この間買った英語版のサプリ『スピンワード・マーチの遭遇』『101旅客』『101貨物』を読んでおかねば。全部は読む必要が無いだろうけど、数カ所だけでも......。

 

 ......やっぱり、来週の火曜日からセッション始めるの、ムリなような気がしてきたぞ......。

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コメント(1)

一瞬、Hell&Heaven(ガオガイガー)と間違えました(笑)。

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この記事について

このページは、makiyamaが2015年7月10日 13:33に書いた記事です。

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