だいぶ間が開いてしまいましたが。
火曜の夜は、鴨屋さんと会ってきました。で、酒など飲みながら、トラベラーや他のRPGの話などを。
先週始まったばかりの火曜日トラベラーオンセをさっそく休んでしまい、メンバーには悪いことをしたと思っているのですが、鴨屋さんの休みの関係上この日じゃないとキツかったので。土日月は私が用事があったし。
で、紹介してもらったのが、GURPSトラベラーのサプリメント。"Behind the Claw"というタイトルで、スピンワード宙域の設定が載っている本です。
もちろん、GURPSトラベラーですから、正式な公式設定資料というわけではなく。......という話をするためにはまずGURPSトラベラーについて説明しないといけませんね。
スティーブ・ジャクソンという天才ゲームデザイナーがいまして。彼の作った汎用TRPGシステムが、『GURPS』です。日本ではグループSNEが翻訳して、電撃文庫あたりで何種類か出ていました。『ガープス・妖魔夜行』とか『ガープス・lコクーンワールド』とか『ルナルサーガ』とか。汎用なので、色々な背景世界がくっつけられるのです。外国ではGURPS原始人とかそーゆーのもありましたな。あ、そうそう、ガープス・リングドリームというプロレスもののサプリもあったっけ。
で、そうなってくると、既存の背景世界にシステムをGURPSにするというのもありまして。GURPSトラベラーというのはまさしくそれなのです。
GDWが無くなったあと、トラベラーの版権が宙に浮いてしまったときに出た......んだったかな。それともそれ以前から出てたけど、GDW社の消滅で活発化したんだったっけか。どっちだったか忘れたなあ。あとで田中克明君か鴨屋さんに聞いておこう。
で、GURPSトラベラーというのは、実はトラベラーの公式ではないのです。公式ではないので、背景世界が若干違います。GDWで展開した歴史を正史とすると、パラレルワールドと言っていい設定になっています。
トラベラーからメガトラベラーに移るときに、背景世界でも大きな歴史のターニングポイントが起きます。1115年に起きた皇帝暗殺です。これによって、第三帝国は混乱状態に陥り、有力貴族が後継を狙って蜂起、分裂状態になるのです............が。
GURPSトラベラーの世界では、皇帝暗殺は起きなかったことになってます。当然のことながら、その後の第三帝国の崩壊も起きませんで、順調に歴史は流れていくのです。帝国崩壊しなくたって、スピンワードマーチは冒険のネタに充ち満ちているのですから、むしろ不安定すぎて、先行き真っ暗な"正史"を嫌う人は多かったのでしょう......というか、私もあんまり好きじゃありません。
(もっとも正史でも、スピンワードマーチは早い時点で独立し、第三帝国文明の崩壊に巻き込まれずに済むのですが......)
とにかく、GURPSトラベラーは帝国が崩壊せずしばらく続くというタイムラインなのです。
"Behind the Claw"は、そんなパラレルワールドのスピンワードマーチの設定資料です。
一応、パラレルに分岐したあとの1117年くらいの状況を記しているのですが、1115以前の状況に関しても詳しく書かれていまして。今回の『黄昏の峰へ』キャンペーンに大変役立ちそうなサプリなのです。なにより、1098年くらいから1119年までのスピンワードマーチの歴史が書かれているのがいいです。GDW社の正史と同じあたりには、GDW社の作った設定がちゃんと年代ごとにまとめられておりまして、例えばリヴァイアサン号は冒険航海から1106年に帰投したことになっています。うちのキャンペーンでは敢えて少し時代を前倒しして、1098年に起きた話としていますが。
なぜかと言いますと、GDWのシナリオ、1105年に集中しているんですよね。『黄昏の峰へ』も『トラベラー・アドヴェンチャー』もその他の細かいシナリオも。
1107年に第五次辺境戦争が起きるのは正史でもGURPSパラレルワールドでも確定なので、この前になるべくたくさんのシナリオをやってしまいたいのですね。"SpinwardMarch Campaign"は1105~6年でこれは辺境戦争絡みなので動かせないし。
まあ、そんなわけで、いくつかの食い違いはあって、そのまま採用と言うわけにはいきませんが、大変参考になる設定が載っているサプリです。
いやもう、ホント、為になる。というか、読んでビックリした設定がどっさり。
例えば、ジェンゲでは150年前に衛星が軌道を外れて本星に落下、壊滅状態になったとか。今の汚染大気はその時に巻き上がったチリ砂の類なのだとか。さらりと書いてあるわけですよ。むちゃくちゃだわ。ジェンゲといったら、スピンワードマーチ星域首都リジャイナの隣の星ですよ。多くのシナリオ、キャンペーンの最初のスタート地点としてよく使われるリジャイナの隣、つまり1番目に行く可能性の高い星ですよ。そんな大事なこと、なぜ言ってくれてなかったの!?って感じです。
これ、GDWの頃から会った設定なんだろうか、それともGURPSで出てきた設定なんだろうか。
まあ、この設定、採用するもしないも自由なわけですが、私は採用したいと思います。だっておもしろいもの。衛星が軌道を外れた原因も未だに不明で、ゾダーンの陰謀説や超古代文明の兵器説とかいろいろあったりする、と書かれておりまして、これはネタにしろと! 言ってますねえ、全力で。
まったく、まだまだ知らないことがたくさん載っていて、ワクワクするサプリなんですよ、""Behind the Claw"は。
で、これを鴨屋さんに紹介してもらって、すっごく欲しくなって、米Amazonなども調べたのですが、結構なお値段がする。どうしようなーと思っていたら、スティーブ・ジャクソンズ・ゲームズの方でpdf販売してましたよ。しかも$7.99で。米Amazonの1/6以下です。
さっそく買っちゃいました。ついでに、ソロマニ・リムについての同じような設定サプリと、宇宙港サプリメント。他の宙域のもあったみたいですけど、とりあえず最初はこれくらいで。
というわけで、今ワクワクしながら、サプリを読んでいるわけです。
もちろんトラベラー以外の話もたくさんしてきました。バトルテックとか、ルーンクエストとか。主に未訳RPGについてでですけどね。当然か。翻訳家の鴨さんとの話だものな。
そうそう。そういうワケで鴨屋さんといった飲み屋のことですが。
マスターがTRPGやアナログゲーム好きで、店にたくさんおいてあります。もう少し店の運営が順調になれば、あそこで定期的にゲーム会を開いて、お酒飲みながら、ボドゲやTRPGができるんじゃ無いかなあ。
そのためにも、もう少しメニューを充実させて欲しいこの頃。メニューがもっとあれば、みんなに勧めるんだけどなあ。惜しい。
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