『大いなる文明の曙』。

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 『文明の曙』というゲームがありました。英語の原題は『シヴィライゼーション』といいます。もう30年くらい昔のゲームです。

 プレイヤーは、地中海付近の民族になって、国家を打ち立て、文明を発展させ、勝利点を稼ぎ、早く鉄器時代に入った方が勝ち、というゲームでした。8人ぐらいまで遊べたっけかな。

 何回か、「アドヴェンチャラーズ・イン」でやったことはあるのですが、割とビッグゲームで、最後まで終えられたことはありませんでした。そりゃそうだよなあ、お店の営業時間内に終わるようなゲームじゃない。

 で、『大いなる文明の曙』、原題『メガ・シヴィライゼーション』はこのシステムを使って、ヨーロッパ及びアジア半島のあたりまでの文明の発展を扱うゲームです。最大プレイ人数18人。メガ!

 

 で、これを遊ぶ機会に恵まれまして。

 そう、実に『恵まれた』という表現は正しい。そうそうやれるゲームじゃありませんからね。

 何しろ英語版3万いくら、しかも国内では売ってませんので個人輸入となるのですが、そうすると送料で倍以上になるという代物。でかい上に、でかく立派な木の箱に入ってます。文明カード千枚超という、バカです。マップが1畳近くあるという、バカです。カウンターに至ってはたぶん2万枚くらいあります、バカです。そら送料3万以上するわ、これ。

 一応、日本語版(完全日本版ではなく、和訳ルール&文明カード用日本語シール付きだったかも知れないけど)がHJ社から発売予定ですが、完全受注生産だとか。それでも三万円台で買えるらしいですから、個人輸入よりは遙かにお得です。

 

 これをですね。今回13人プレイヤーでやろうって話です。すげぇ。メンツを集めるにも一苦労だぞ、これ。

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 ゲームは、まず本拠地に人口のカウンターを一枚置くところから始まります。人口増加フェイズで、このカウンターは倍になります。正確に言うと、一枚のところは二枚、二枚以上のところは二枚、人口が増えます。しかし、エリアによって、養える人口上限は決まっており(だいたい1~2、3や4の肥沃な土地もたまにありますが0もある)、ターン最後に人口上限を超えてたら、死にます。ですから、大抵は移動フェイズに移動します。

 人口が6集まると、都市建設適正地なら都市を立てられます。適性地ではない荒野ならこれは12必要です。都市が出来ると、税金を取ったり、資源を得たり出来ます。資源の場合、都市の数によって、取れるランクのカードが決まります。都市が1個ならランク1の資源カード1枚しか取れませんが、都市が5つあると、ランク1、2、3、4、5と一枚ずつ、都合5枚取れます。もちろんランクが高い方が価値の高い資源が眠ってます。

 生めよ増やせよ地に満てよ、というわけです。

 しかし、まあ、都市建設適性地などそんなにありませんから、当然各民族で奪い合いの抗争が起きます。戦争です。

 戦争は、人口カウンターをお互いひとつずつ取り除いていって、土地の人口上限以下になるまで減らした段階で、そのエリアに人口カウンターがたくさん有った方が勝ちという、実にわかりやすくランダム性のまったくないガチシステム。

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 しかも、怖いのは他文明の侵略や先取りだけではありません。災害が起こるのです。

 災害は資源カードの中に混じってます。つまり資源カードをたくさん取れるからと言って、いいことばかりではないのです。しかも高い資源の方ほどひどい災害が入っています。比較的小さい被害の災害としては火山噴火(火山のあるエリアの都市がひとつ衰退)とかありますが、市民内乱などとなると3つ4つの都市が一片に衰退もしくは消滅することも珍しくありません。

 しかもやっかいなことに、この災害カード、貿易で資源カードに混ぜて相手に押しつけることが可能なものがたくさん有ります。確かに疫病とか、悪徳新興宗教とか、貿易で他国から入ってきてもおかしくないものだよなあ。

 というわけで、儲けるための貿易も狸と狐の化かし合いになります。

 資源カードは一枚ではホントに安いですが、2枚3枚と増やすと、級数的に価値が増していきます。ですから、貿易は必須なんですね。だって同じ資源は同じランクのカードからしか出ないから。自分だけだと3ターンやっても3枚揃えるのがやっと、大抵はもっとばらけます。

 でも貿易は、他人を儲けさせるほかに、先ほど言ったようなリスクもありまして......。

 

 で、貯めた資源カード(や税金)でなにをするかと言いますと、「文明カード」を買うわけです。文明というか文化というか、技術というか、そういうものがカードになっています。例えば陶器作りの技術「陶器」。他に「哲学」とか「農業」とか、50種類ぐらいあります。これを買います。

 文明カードを買う理由は3つあります。

 まずその文明カード自体に特殊能力があります。「陶器」は食物を保存できるので、災害カード「飢饉」の被害を減らせる、とか、「遠洋航海術」は、沿岸でない遠洋のエリアを渡ることが出来るとか。これだけでも充分でかい利点ですが。

 2つめに、カードに次に買う文明カードへのボーナスが書かれている。つまり、ある特定の種類のカードが安く買えるのです。

 3つめに。各民族の次の文明段階に入るための条件になります。文明段階は通常、1ターンの最後にひとつ進みます......条件を満たしていれば。条件は最初のうちこそ都市2つとか緩いですがどんどん厳しくなり、文明カード3枚とか、文明カード価格100以上が3枚とか、厳しくなっていきます。この段階によって得る勝利得点がべらぼうに大きい。ハッキリ言ってこれだけでも勝てるぐらい大きい。(他の方法でも勝利得点は得られるのですけども) そして文明段階が鉄器に達した人が出たら、ゲームは終了になります。

 

 まあ、「文明の曙」つーぐらいですから、文明カードを充実させていかなくてはならないのは当然ですね。

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 というわけで、この文明発展競争を、13人でやろうというのが、今回のゲームの趣旨でした。

 当然13人で順番にやっていったら、時間がかかってしょうがない。そこで、ゲームをよくわかっている進藤さんが進行役を兼ねて、同時に動かして問題のない民族は同時に動かしてもらって(例えばイベリアとバビロニアなんて、大抵は接触しませんから同時に動かすことが出来ます)、時間を節約しながらやったんですが。

 ...............それでも12時間かけて、3/4くらいしか終わらなかったですよ。いやまあ、食事で2時間ほど少ないから10時間か。朝の10時から夜の10時まで。

 やっぱり、待ち時間は長いですなあ。

 でもそれを除けば、すごく面白いのです。いや、待ってる間、他人が悩んで動かしているのを観てもおかしい。だいたい13人もいれば、それこそコメディみたいなドタバタなぶつかり合いが起きます。それを観ているだけでもおかしい。そして名言迷言が飛び交います。

 ディプロのような、口での約束条約なんかもありです。私の担当のバビロニアはペルシアと不可侵条約を結びました。いやあ、バビロニアって、割とまわりに他民族が多いから、ちょっとでも敵減らさないと。アラビア半島の交差点ですからね。

 

 ま、いろいろあって、勝利はアッシリア、次点がヒッタイト(点差は僅か2点!)、バビロニアは下から数えた方が早いくらいの順位でした。

 でも、すごく面白かった。すごく面白かった。すごく面白かった。

 

 10時間以上プレイにつき合ってくれるプレイヤー13人揃える自信も、3万円のゲーム買う金もないから、たぶん買わないとは思うのですが.........たぶん.........でも、ちょっとぐらい心が動いてしまうんですね......それくらい面白かった。

 昔の『文明の曙』こんなに面白かったっけかなあ。

 

 10人以上、10時間からのプレイにつき合ってくれる友人がいて、お金もあるひとなら、ゼッタイ買い!大いにお勧めです。面白いのは保証します。ですから、さっそくHJ社に受注予約を!!

 

 追記:でも疲れました。

 どれくらい疲れたって、次の日、娘をWFに連れて行くつもりが、メッセと間違えて国際展示場に行ってしまうくらいに。

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このページは、makiyamaが2016年2月12日 17:29に書いた記事です。

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