さて、トラベラーオンセ火曜班、"ムクタ・シャハサ"は、ダイナムンのトラベラー協会で、偵察局からの仕事を引き受けます。通常の4倍の金額で、急ぎで建築物資をアンバーゾーンのウィボックに届けて欲しいとのこと。
ウィボックからの帰りは通常の委託貨物は見込めないため、帰りが空荷になることを考えると、4倍という金額はそこそこおいしいが不自然なほどの高額ではない。PCたちはひきうけることに。
※※※
その時、PCたちに話しかけてきた、フードの小柄な男がいた。男は奇妙な声、片言の帝国共通語でこう聞いてきた。
「ジニー、ツレテテクレマスカ?」
男は、ドロイン人の子供だった。ディーキンと名乗ったそのドロイン人は、ジニーの先のヨーリという星系に用があると言った。ヨーリにある帝国の研究基地ベータに、親と兄弟が捕らえられているというのだ。
帝国の研究基地という言葉に不穏な響きを感じたPCたちは、ディーキンに、ヨーリの研究基地まで送り届けることを約束する。
ウィボックがアンバーゾーンに指定されている理由はその腐食大気にある。大抵の金属を侵食してしまうガスだ。だが、軌道上に宇宙港があり、そこへ物品を届けるだけなら、特に問題はない。それでもこの星に向かう自由貿易船は少なかった......荷物が見込めないからだ。
PCたちは無事に偵察局からの委託貨物をウィボック当局に届け、投機貨物と乗客を捜し、ジニーに向かってジャンプ航路に入る。
事件はその時起きた。
"ムクタ・シャハサ"に指定された航路に突然、大型貨物船が割り込んできたのである。
『メイデイ、メイデイ! 当方、海賊に襲われ、進路変更用ブースターが破損!細かい進路変更が出来ない。航路上にいるすべての船に進路変更をお願いする!』
"ムクタ・シャハサ"は間一髪、軌道を低く変更し、大型貨物船を避ける。仕方なく、この低空軌道を使って惑星重力圏を脱出しようとしたとき、ウィボックの地表から一筋の強力なレーザービームが発射された。
このビームは幸いにして回避できたが、PCたちは3つの選択肢を迫られる。この軌道のままもう一周して重力圏を脱出するか、大型貨物船とニアミスを覚悟で軌道宇宙港に戻るか、このままここでジャンプするか、である。
ジャンプという選択肢は問題外として(重力圏内のジャンプは非常に危険)、ニアミスとレーザー射撃のどちらの危険を甘んじて受けるか。PCたちの結論は、このまま低空軌道で重力圏脱出をはかり、レーザー射撃はなんとかして回避するというものだった。
だがこの見込みは甘かった。レーザー射撃により"ムクタ・シャハサ"は被弾、惑星に不時着する羽目になったのだ......。
※※※
うん、まあ、レフリーとしてはウィボックに墜落もしくは不時着して欲しかったのは事実だけど、そんな無理やりはしていません。しなけりゃしないでもいいや、ディーキンの話もあるしなーと思って軽く構えてましたが。
結果はレフリーの希望通り、ウィボックに不時着する羽目になりました。
さて、腐食大気の惑星に不時着した一行の運命は?
......腐食大気で、ピンときた方もいるかも知れません。そうです、アレです。あのシナリオです。
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