『クトゥルフ』を見た。

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だいぶ間合いが開いてしまいました。

理由はふたつあって、ひとつは私の仕事が忙しかったからです。

もうひとつは、この記事、書き始めたら長くなってしまって、途中で挫けてしまっていたんですね(笑)。短くしましたけど。

 そういうワケで、2月の27日という記事を、4月の日付で公開するわけです。

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 本日はゲーム関係ライターのTRPG体験会。私も参加してきました。東京に引っ越してきた坂東真紅朗さんと会えるのを楽しみにして。実に16年ぶりくらいじゃないかな。

 ところが。

 季節柄インフルエンザに倒れる人が多数。参加人数が7人と、二卓に分けるには少なく、ひと卓にするには多すぎるという中途半端な数に。

 

 で、今回立卓予定だった「クトゥルフ」のシナリオを知っている私が抜けて、坂東真紅朗さんのクトゥルフ1卓でプレイしました。私はサブマスターをやろうと思ったのですが、良く考えると、NPCが出まくるシナリオでも、怪物が大量に現れるシナリオでもないので、結局横で見てただけです。それでもすっごく面白かったんですけどね。

 

 シナリオは、基本ルールブックに収録されている『屋根裏部屋の怪物』を、ちょっと舞台変更し、現代日本の高校にしたものです。

 元のシナリオは、日本に初めて紹介された『クトゥルフの呼び声RPG(いわゆる箱入りだった第3版)の頃から基本ルールに載っているような超ロングランな代物で、そりゃ、ちょっと古い人なら知ってますがな。娘もよくこのシナリオキーパーしているくらいだし。

 もっとも、坂東さん、ちょっと構成も変えてありまして。

 元のシナリオでは最初に事件の依頼として大学教授の遺言を聞くところから始まるのですが、今回のシナリオは(元シナリオではそのあとに見つける)謎の小箱と日記を見つけるところから始まりました。んでもって、日記の主である学長(元シナリオではこれは遺言主の教授の役)に、三十数年前の事件のことを聞くのは、かなり後になってから、ということになっています。

  こっちの方が自然な流れだし、事件の真相が徐々にわかる感じでプレイヤーのおもしろみも大きいと思います。もっとも、PCの動機づけとしては、若干弱くなるかな。やはり遺言の方が、好奇心より動機としては強くなるでしょうから。そこは、プレイヤーの性格次第でしょうね。

 キャラクター作成は、半プレロールド。ハンドアウトがあって、それには、学校での役職......つまり「生徒会長」とか「武道部員」とかが書かれています。そして、その役職にふさわしいであろう技能がリスト化されてます。この技能に、職業技能ポイントが割り振れます。つまり、普通のクトゥルフキャラメイクの「職業テンプレート」に当たるモノですね。の緑地や、実際の取るべき技能に関しての指示は特別ありませんので、このハンドアウトを選んだあとは通常のクトゥルフのキャラメイクと同様に進めていきます。

 あと、ハンドアウトなので、そのキャラが事件に関わる動機についての方針も簡単に書かれています。先ほど言った構成の変更による動機の弱体化を、ここで補強しているわけです。考えられてますね。

 20160227_040500000_iOS.jpg

 というわけで、以下は、セッションのあらすじです。完全にネタバレなので、ルールブック付属の『屋根裏部屋の怪物』をプレイしていない人は読まない方がいいです。

 

※※※

 女生徒がひとり失踪した。それは学園内でウワサとなって広がったが、彼女の消息を知るものはいなかった。

 そんなおり、生徒会長とその友達たち(PCたち)は倉庫の掃除を頼まれる。そこで見つけたのは一つの段ボール箱。中には装飾された小箱と、怪しげな日記帳が入っていた。小箱の中にはなにも入ってなかったが、箱自体にエジプトの象形文字らしきものが彫られている。また日記には、几帳面そうな女性の文字で、35年ほど昔の話が書いてあった。

 日記は図書委員長が持って帰り、その内容を読むことになった。そこには、35年前の少女たちのオカルトクラブ「神楽坂騎士団」の活動が記されてる。お遊びとある種のジョークだったオカルト研究だが、一人のマジメに神秘学を信じる少女の加入によって、活動はどんどん妖しく神秘的で本格的なものになっていく様子が描かれていた。

 最終的に、神楽坂騎士団は、一人の少女が持ってきたエジプト琥珀の中に閉じ込められた精霊を開放する儀式を行う。だが、その精霊は少女たちの手に負える代物ではなかった。それでも儀式の準備をきちんと行っていたため、精霊はほとんど儀式の場となった旧校舎から外に出ることは出来なかった。そのため、少女たちは旧校舎に近づかないようウワサを流し、秘密を隠蔽したのだった。

 しかもその少女の一人は、現在の理事長だというのだ。

 

 一方、風紀委員は、学校帰りの夜道で、謎の存在に追われる。不思議な、嗤い声とも風とも聞こえる声を発しながら、その見えない怪物は風紀委員を襲ったが、かろうじて逃げることに成功した。

 

 日記を読んだ図書委員は、生徒会長他に相談するが、彼らはまったく精霊の存在を信じない。PCたちは、現在は病のために長期入院している理事長に真相を聞きにいこうという意見と、そんなことは無視して、他の教師に命じられた旧校舎の整理を続けようとする意見に別れる。結局多数決で、旧校舎の整理を続けることになった。

 だが、その整理の最中、旧校舎の屋根裏部屋から足音や不気味な唸り声、吠えるような声が聞こえ始まる。異変に怯えた生徒会長たちは、教師を呼んできて、いっしょに屋根裏部屋を見に行く......行こうとした。が、先頭を歩いていた教師が屋根裏部屋に頭を入れた途端、吠える声が。そして、教師の身体がふたつにちぎれて階段を落ちた。いきなり起きたあまりの惨劇に、みんなはパニックに陥る。

 しばらくして落ち着いた生徒会長、副会長、風紀委員たちは、外で待っていた図書委員他と相談する......教師の死をどうやって隠すかについて。

(屋根裏部屋の怪物に関しては、二の次なのかよ、と見てた私のツッコミ)

 20160227_063837000_iOS.jpg

 結局、、死体をどうにか隠して、バレるまで行方不明になっていてもらうということに決めて、今度は旧校舎の地下室を調べる。そこには、浮浪者が逃げ込んでいた。雨露をしのげるところを求めてこの旧校舎に入り込んだのだが、天井裏から不気味な声が聞こえるために、地下室に逃げ込んでいたのだ。この浮浪者に教師殺害の濡れ衣を着せようと生徒会長は企む。

 浮浪者から天井裏の様子などを聞き出したPCたちは、彼にお金を与え、マンガ喫茶で待機するように頼んだ。そして、理事長の入院している病院へと向かった。

 理事長に日記を突きつけると、理事長はそこに書かれたことがすべて真実だと認めた。そして、精霊を追い払う儀式を行い、怪物を異次元に帰して欲しいとPCたちに頼んだ。儀式自体は難しいものではなかったが数時間に及ぶ呪文の詠唱が必要なため、体力の無くなった理事長では儀式を行えず、若く元気なPCたちがやるしかないのだ。

 PCによっては多少不満もあったが、なんにせよ怪物に目をつけられているらしいので、不承不承、この儀式を行うことにする。

 儀式の呪文は、呼び出しの呪文を逆さまに唱えればいいだけのことだったが、それを6時間にわたって続けなくてはならない。そのため、複数人でこれを唱え、例え一瞬誰かが詠唱を途切れさせても他の誰かが唱えてられるようにした。

 だが、屋根裏の怪物も、大人しく儀式が終わるのを待っているわけがない。怪物は自分がかつて殺した人間の死体を操って動かすことが出来るのだ。その力を使って、儀式をジャマしに来た。

 最初に聞こえたのは女性の悲鳴だった。助けを求めるその声に、PCの一人が見に行くと、そこには制服の少女が倒れていた。近づいてその女性を助け起こそうとすると、女性は手でPCの首を締めに来た。よく見ると少女の胸には向こう側が見えるほどの大きな穴が開いており、生きていないのは明白だった。少女は数日前に失踪した女生徒だった。

 PCはなんとかその手を振りほどき、旧校舎の儀式の場に逃げ込む。それを追いかけてくる女生徒のゾンビ。そして、反対側からは浮浪者が。浮浪者もまた胸に大きな穴を開け、ゾンビになっていた。

 屋根裏の怪物は、自分では直接儀式の場に乗り込めないので、このゾンビたちを使って儀式をジャマしようとしたのだ。

 数人が呪文を続け、そして残りがバットや角材を振り回して、ゾンビと戦う。それは長い長い戦いだったが、ついに呪文は完成し、屋根裏の怪物は引きずり出されて、異次元に吸い出されるのだった。

※※※

 

 というわけで、事件は結着しましたが。まあなんて素晴らしい生徒会長の自己保身(笑)。端で見てて、怪物より怖いのは人間の心という、言い古された言葉の意味をしみじみとかみしめさせてもらいました(笑)。

 

 プレイヤーのみなさんも、さすがはシナリオライター。PCたちのキャラが立ちまくってます。しかも行動に一貫性がある。ここらへんが多人数でやるTRPGの醍醐味ですね。

 私は参加せず、端でセッションを見ていただけでしたが、それはもう、楽しくてしょうがありませんでした。特にシナリオを知っているから、このあと彼らがどんな不幸な目に会うのかよく知っているのもあって。

 

 たまには他人のセッション(キーパリング)を端でこうやって見ているのも勉強になって楽しいですね。

 

 あ、写真のマップはクトゥルフのボードゲーム『マンション・オブ・マッドネス』の野外マップ(エクスパンションの)です。なるほど、こういう使い方もあったのか。

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このページは、makiyamaが2016年4月12日 09:59に書いた記事です。

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