お泊まりゲーム会(ミニ)。~ボードゲーム編

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 というわけで、その夜は私、こいでさん、松本さん、あらいさん、中谷さんで泊まり込んでボードゲーム。桂さんはお帰りになりました。

 夕食を外のファミレスで済ませたあと、あらいさんの持ってきた同人ボードゲーム他をプレイ。同人ゲームは、ひとつはまあまあだったけどもうひとつはゲームとして成立してなかったなあ。デベロップメントの問題だな。

 次の日は、ニョーボ娘が参戦して、ボドゲ会。

 

2日目:

 1.インカの黄金

 タイトルとざっとしたルールは「放課後さいころ倶楽部」で知っていたのですが、遊んだのは初めて。そして、こんなに面白いゲームだとは思ってませんでした。やっぱりゲームは遊ばないとわからないなあ。その前の夜の同人ゲームも、たぶん机上で作って遊んでないんじゃないかな。

 いわゆる「バースト系」と呼ばれるシステムが中核です。坊主めくりのように、山札から特定種のカードが引かれると、そこまでため込んだものが全部だめになるので、引く前に引き上げる。チキンランとも言われますね。

 プレイヤーは、遺跡の探検家になります。と言っても、1930年代頃の探検家なので、実質遺跡荒しです(笑)。遺跡に潜って、宝石や黄金や宝物を奪ってくるわけです。

 山札には大きく分けて2種類のカードが入ってます。通路(宝物)カードとトラップカード。通路カードには数字が書かれていて、この分だけ、宝物が手に入ります。手に入った宝物はその場の探検に参加していた(つまりまだ撤退していない)人の間で均等に分配。余ったものは通路に置いていきます。トラップカードは5種類3枚ずつ入ってまして、同じ種類のトラップカードの2枚目が出てしまうと、トラップ発動、遺跡は崩れ、探検隊は哀れ全滅となります。手にしてた宝物は永遠に地の底へ(没収)。

 つまり同じ種類のトラップカード2枚目を引く前に探検をやめ、外のキャンプ地に戻り金庫の中に入れればいいんです。そうすれば、そこまで持っていた宝物は自分のものに確定されます。ですが先ほども言いましたとおり、撤退してしまうと、その先の冒険の分け前にあずかれない。

 実に理解しやすい二律背反です。しかも目の前に宝物がプラスチック・トークンという形でありますからねえ。

 あと、撤退していく人間は通路に(余りとして)残してきた宝物も拾っていけます。複数人数で撤退するときは、やはり山分け。つまり、撤退するとしても、少人数で撤退した方が儲けは大きいわけでして。

 ここにアーティファクトのルールが入ったりしますが、まあ、基本はこんな単純なものです。これを5セットやり、最終的に一番遺跡の外に持ち出せた宝物の金額が高い人が勝ち。わかりやすいです。プレイヤーがやることと言えば「これ以上先に進む」か「ここで撤退する」かを選ぶだけ。

 ......とシステム的には実に単純なのですが、凄く面白い。いろんな点で面白い要素が絡み合っているゲームです。

 まず、対人相手であることが最大限活かされていると思うのですよね。「アイツは撤退するかな......。アイツの性格だとそろそろ撤退するんじゃ......?」と言った読み合い。プレイヤーが旧知の仲であればあるほど、この読み合いが面白い。これ、アプリみたいに乱数だと思っちゃったら、例え結論として同じ行動を取ったとしても、面白さ半減だと思うのです。

 さらに、遺跡はカード......つまり、次に出るカードは既に決定されているという運命論的な点も、面白さに貢献していると思いますね。理論的にはカードでやろうが、サイコロでやろうが、この時点で確率が変わるわけではないのですが、目の前にあるカードの裏側に対して読みをするのは、まだ振られていないサイコロの目を予想するのとは気分が違います。

 さらに、撤退の際に残っている通路の宝石を取っていけるのも、わりと重要。撤退が単なるチキンな行為に終わらないわけでして。アーティファクトを入れるとこの傾向がさらに強まります。と言うのも、アーティファクトは分割が出来ないので、大抵はひとりで撤退した人間が拾って帰ることが多いので。単に先がやばいと感じたとき撤退するだけでなく、他の人が帰らないタイミングで帰ることも大事な点になってくるわけです。

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 ルール的な点でもこのようになかなか面白いのですが、私、このゲームのミソは、次の点にかかっていると思うのです。

 それは「自分の判断を自慢できる」「他人の失敗を笑える」という点。

 「ほら、俺があそこで撤退を選んだのは正解だった~!」とか「うひょ~、独り占め~! 早く帰ったやつはバカだね~」とか。あるいは「欲掻くから、おじゃんになるのさ」とか。

 自慢したり他人を笑ったりというのは、たぶん大抵の人間が持っている根源的な欲求のひとつだと思うのですけど、日常生活ではやたらやるわけには行かない行為であります。やってたら、アレな人、とか呼ばれて嫌われますな。

 しかしゲームの中の行為でなら、自慢しても嘲笑っても、そんなに問題じゃない。しかもこのゲームでは、そのテンポが速いので、数十秒間自慢しても後々まで引きずったりはしない。ゲーム上のこととして軽~く流せてしまう。実際、結果は「行く」か「戻る」かの二つなんだから、そんなに自慢しても大したことではないし、後悔したとしても大したことじゃない。

 これが「インカの黄金」の面白さの根源のひとつだと思うのですよね。日常の中では出来ない欲求を満たす。

 さらにこのゲームをやっていると、自分がいかに臆病かあるいは欲が深いか思い知らされる。自分を見つめさせられるのです。

 ......単純なルールに深い意味。「インカの黄金」が私が今一番気に入っているゲームの一つである理由です。

 

2.交易王

 もうひとつ、私が気に入っているのがこの「交易王」。

 多作家で知られるゲームデザイナー・ライナー・クニッツアのデザイン作品ですが、桂さん曰く、「クニッツアのデザインにしてはテーマとシステムがマッチしている」だそうで。(実際クィニッツアのゲームは、あんたシステム先に考えついて、それにテーマかぶせたんでしょ?と言いたくなるゲームが結構多いのですよ。いやどれも面白いんですけどね、ゲームとしては)

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 プレイヤーは16世紀頃の交易商人。港で商品を買い付け、それを売り払うことによって儲けを出します。

 具体的には。

 場の中央に6枚の商品カードが並べられます。ここに、手番プレイヤーが「決算」と言いながら1種類(枚数は何枚でも可)を乗せると、船荷の持ち主に場にあるその商品のカードの枚数(すでにあったものも含む)に応じただけのお金が入ります。最大6枚なので、6金。船荷を複数持っているなら、当然その倍数。手番プレイヤーでなくても、荷物を持っていると入ります。あるいは逆に、手番プレイヤーでも船荷の種類が合ってないと1銭も入りません。これが「決算」の仕方で、このゲームのキモとなるルールです。

 1回の手番は前半と後半に別れます。前半は、3つのうち一つを選んで行います......1.船の荷物の積み替え(1個)、2.特殊カードの購入、3.パス。後半は、先ほど述べた「決算」か、山札から2枚カードを引いて手札に加えます。(後半の選択肢にパスがないのが結構ミソ)

 山札から(ルール上引けるはずなのに)引けるカードがなくなった時点で、ゲーム終了です。この時点でお金を一番持っているプレイヤーが勝利。

 

 ......これも凄いシンプルなルールですね。特殊カードの能力の説明以外、これだけの文章で済んでしまうんだ。インカの黄金より少なくないか? 特殊カードは3種類+追加の船の4種類。どれもそれなりに強いですが、先ほども言ったように、勝利に関しては現金しか関係ありませんから、購入にもいろいろ思惑が絡みます。しかも船以外は2枚ずつしかないんだ。

 

 というわけで「交易王」をプレイしたのですが、この時松本さんが重要なルール勘違いをしたまま(そして全員それに気づかないまま納得して)、プレイしてしまったのでした。......このゲーム、5人までじゃなくて、4人までだそうですよ、松本さん。

 

3.アルハンブラ

 これは間違いなく6人ゲーム。

 現代でも美しい建物として有名なアルハンブラ宮殿をテーマとしたゲーム。プレイヤーはスルタンからアルハンブラ宮殿を建築するよう要請されたマハラジャ(豪族)です。みんなに作らせておいて、スルタンはそのうちの一つにしか金払わないというひどい話(笑)。

 ゲームとしては、競りゲームとタイル配置ゲームを組み合わせたものです。

 

 4つの国の職人(&建築家)がタイル(アルハンブラの建築パーツ、塔とか庭園とか)をプレゼンしてくるのですが、それぞれの国の職人は自国の通貨しか受けとらない(しかもおつりくれない(笑))。なので手札のお金カードが充分にないと、好きなタイルを購入できないのですね。購入したタイルは、中央タイルから歩いて行けるように繋げないといけないというルールの下に配置されます。

 途中で監査(決算?)が入りまして、ここで点数計算をします。塔を一番建ててる人は何点、庭園を一番立ててる人は何点......というふうに(パーツは種類ごとに色分けされているので、実際にはタイルの色の数で点数がはいります)。監査は全部で3回。うち1回はゲーム終了後の監査です。

 タイルが全部売れたら、終了。その時点で点数計算をし、それ以前の2回の監査の点数を足し合わせ、最高点を持っていた人の勝利です。

 かなり面白いんだけど、重いんだよね。だから、ちょっとやる機会が遠のいてしまいます。でも面白い。

 

 確か、ここらへんでこいでさんがお帰りになられた、んだったかな。

 

4.モダンアート

 これもライナー・クニッツアのデザイン。競りゲーの名作、と呼ばれているので購入。結局のところ、私はシステムマニアでもあるのですよ。

 プレイヤーは絵画(モダンアート)の売買人となって、手持ちの作品を高く売り、たくさんのお金を儲けることを目標にします。......冷静に考えると、「自分の手持ちのアートの価値を高める」でなく持ち金を増やすことを目標にするあたり、最高の近代芸術界への皮肉だよなあ。美術科出身の娘が苦笑いしてたのももっともな話だ。

 値段を徐々につり上げていく競りの他、金額を一斉のせで公開とか、いろんな形の競りタイプがあり、それそれに競りのテクニックがあるのですが、1回のプレイでは覚えきれませんでした。

 あと、このゲーム、ハッキリは描いていないけどその作品の相場みたいなものがあって、それをなんとなくみんなが意識してプレイするのと、意識しないのとではまるっきりプレイが変わってしまうそうで。ずっとぼやいていましたよ、唯一の経験者のあらいさんが「ここの相場はそうじゃないんだけど......」と。

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 もう一本なにかやったような気がするのだけど......思い出せない。私が持ってきたゲームじゃなかったかも知れない。

 でもまあ、ゲーム三昧の二日間でした。かな~り満足しましたよ。その後3ヶ月くらい、アナログゲームをほとんどしなくても、なんとかしのげるくらいには。(10月、11月は確か、ボドゲはしてない。ひと月に1回のあなまたを除くと、TRPGが1回ずつあったかな?)

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このページは、makiyamaが2017年3月14日 12:10に書いた記事です。

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