『マンション・オブ・マッドネス2版』。

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 サーバが復旧してから以後の記事で何回か名前が出ています『マンション・オブ・マッドネス2版』(以下MoM2と略)、現在一番プレイしているゲームです。去年12月に買って以来、3ヶ月で6回プレイしてます。ハッキリ言って、半日がかりの激重ゲームですので、それを6回というのはつまり6回MoM2のためにゲーム会を開いているようなものだと言うことです。1回は、ホビット庄だけど。

 

 

 で、2版と言うからには1版も存在していまして、それも1回プレイしたことがあります。過去記事「『マンション・オブ・マッドネス』をやった」参照。

 

 MoMは、クトゥルフ神話をテーマにしたボードゲームです。

 MoM1はキーパー(物語の管理者)と探索者達に別れて勝負を競うという、TRPGライクな構造を持つゲームでした。

 で、MoM2は、プレイヤー全員が探索者となり、謎の物語を解いていきます。前作のキーパーの役割である物語の管理はアプリがやってくれるという。

 凄い時代が来たものです。キーパーがアプリですよ? タブレットやスマホやノートパソコンのアプリの指示に従って、ゲームを進めるのです。ハイテクです。未来です。イン・ザ・フューチャー!です。

 まー、ここまで高性能で扱いやすい電子機器が個人ベースで普及しているってことなのでしょうね。うん、たしかに私が初めてクトゥル神話RPGをやった27年前には、個人が液晶端末を持っているなんて状況、考えられなかった。それから数年後のRPGマガジン連載マンガ「RPGなんてこわくない」の中で山本弘さんが『キャラの情報などプレイを進めるのに必要なものは個人の持つ液晶端末に表示し』......とか書いてたものですが。生きているうちにそんな状況になるとは。

 MoM2_APP.jpg

 ま、それはそれとして。このアプリがよく出来ています。まずシナリオが4本ほど入っている。正確に言うと、日本語になっているのが4本で、もう1本、まだ訳されていないのが入ってます。それから、追加タイル&フィギュアを持っているよと答えると、さらに3本のシナリオが追加されます。さらに、DL購入することによって、シナリオが増えます。まだこれは英語版が1本だけだけど。

 追加タイル&フィギュアというのがミソでして。実は第1版用のタイルとフィギュアを持っていると、この2版でも使えるのです。つまり旧作を無駄にせずに済むという親切設計。きっとディセント2の時ディセント1を持っている人から抗議が来たんだろうなあ(笑)。データは差し替えになりますが、それすべて基本セットに入っているんだから、やっぱり親切。

 で、アプリはiOS版、Android版、windows版と3種類ありまして。なぜか全部の種類のタブレットを持っている私はすべてをDLしておりますが、Android版はなんでか、OP及びEDのモノローグの音声が英語のままなんだよなあ。俺の設定が悪いのかも知れないけど。

 ちなみにwindows版は正確に言うとstearmから供給されているものです。外国(たぶんアメリカ)のDL専門ゲームサイト(でもある程度日本語に対応しているし、日本語版も売っている)。

 stearmは桂さんとか他の知り合いも何人か登録してゲームを楽しんでいるようです。私も興味はあったのですが、一度ハマったら抜け出せないような気がして、ちょっと距離を置いていました。しかし今回ついに登録してしまうことに。大丈夫、大丈夫、まだカードを登録してないから......(MoM2キーパーアプリは無料)。

 きちんと調べてないけど、ひょっとしたらMoM2キーパーアプリ、stearmOSの上で動いてないかな。もしそうだったら、Linuxでも動くということだよな。うん、凄い。さすがにLinuxで動かしてみる気にはならないけど。

 

 ま、それはいいとして。

 前のMoM1はなにが大変って、キーパーのゲーム直前の準備が大変でした。シナリオの指示通り部屋のタイルを並べ、手がかりのカードを所定の位置に配置し......だいたい1時間ぐらいかかるもののようでした。私はMoM1のキーパーをやったことはないので、ハッキリとは言えませんが、「これなら普通にクトゥルフ神話RPGをやった方がいいんじゃね?」と言われてしまうレベル。

 やはり制作側もこの点は気にしていたらしく。

 MoM2ではまずこの点が台改良されています。

 なんと! ゲームスタート時点では、最初にPCが入る部屋(玄関とか)のタイルだけ置けばよいのです(アプリのシナリオをスタートさせると指示される)。

 あとはゲームの準備と言っても、ゲーム中使うカードやトークン類を取り出しやすいように並べるくらい。

 そして、プレイするシナリオとプレイヤーたちが使うキャラを選べば、プレイスタートになります。軽いっ!(いやまあ、普通の重めボードゲームのレベルになっただけだけど)

 MoM2_APP_Sina01.jpg

 雰囲気のあるオープニング画面から<新しいゲーム>を選択すると、 シナリオの選択画面になります。シナリオは先ほど述べたように、日本語で遊べるものは4本。難易度2からMAXである5まで揃っている......のですが。

 まあ、難易度2の「永劫の輪廻」はいい。入門用に易しく、かつ時間も短いから。次の難易度3「潮満ちるとき」は4本の中でも一番長いシナリオなんですよ。一応240分って表記されてますけど、「永劫の輪廻」を6回やった人間として言わせていただくなら、たぶん240分で終わらない。その3倍くらいかかると思う。「永劫の輪廻」、60~90分と書かれているんだけど、3時間以下で終わったためしがない。だいたい4時間超。なので、難易度も高いシナリオ「潮満ちるとき」が表記の3倍かかってもおかしくないと思います。

 で、長すぎるからとこれを飛ばすと、難易度4の「インスマンスからの脱出」になるワケで。これ、松本さんが一度やって、失敗したシナリオらしいです。「永劫の輪廻」を6回もやったので、そろそろ他のシナリオを......と思っているんだけど、「インスマンス...」と「潮満ちるとき」、どっちやろう......。

 

 という話はまだ先のことで、現状では6回やったMoM2はすべて難易度2「永劫の輪廻」でした。そのせいか、プレイ時間内に終わらなかった1回を除くと、毎回探索者側勝利になんとかなっています。(途中で発狂して、勝利条件が変わってしまったキャラは考慮に入れないで)

 MoM2_App_cha.jpg

 話を戻して。

 シナリオを選ぶと、次はキャラクター選び。プレロールドキャラクターとして用意されているキャラクターが基本セットで8人おりまして。過去のセットを混ぜると、24人の中から選べます。過去のキャラクターの中にはバランスを崩したものもあったようですが、この2版のデータはバランスを取り直してあるようです......たぶん(まだ全員使ってないからわからない)。

 選んだキャラクターを、今回参加させるキャラとして登録すると、次は初期アイテム。初期アイテムが5つ、提示されます。これをプレイヤー間で相談して分け合います。いやひとりが全部持ってもいいんだけど。みんなが納得すれば。これも基本はランダムですが、ひとつは必ず魔法が入るようになっているようです(魔法はアイテム扱い)。

 その他に、初期のクルートークン(あとで説明)を各キャラ2個もらって、ゲーム開始。

 ラブクラフトの小説からの引用文がOPの雰囲気を盛り上げます。

 で、そこから、今回のシナリオの導入が一人称のナレーションで語られます。先ほども言いましたように、iOSとwindows版ではちゃんと日本語に吹き替えられてます。Android版は俺の設定ミスなのかなあ。

 「永劫の輪廻」は私立探偵風のキャラが主人公での、物語導入です......が、基本セットにある8人のキャラはどれも探偵じゃないです(笑)。まあ、余りこだわらないことにしまして。

 ヴァンダービルトという金持ちの屋敷に、怪しい男たちが入ってきて、ヴァンダービルトと共にどこかへ言ってしまった。様子がおかしいので来てもらいたい、と執事からの電話。ヴァンダービルトには怪しいところが多かったので、今回の事件のもっと手がかりが得られると考えた主人公は館に向かいます。

 ですが、向かった先の館では、超常の怪異が起こりつつあったのでした......。

 と言うわけで、館玄関。

 20161221_045237374_iOS.jpg

 この写真は第1回目の時のですが、このタイルはMoM2のもの。回によってはMoM1のタイルを使ったり、別の玄関タイルを使ったりと、結構ランダムに変わって、何度シナリオやってもそれなりに新鮮感が味わえるようになってます。

 (それにしても灰色一色のフィギュアは寂しい。せめてPCフィギュアだけでも色を塗りたいところ)

 黄色いクエスチョンマークチット(探索トークン)がタイル場に置かれていますが、これが探索ポイントを表しています。探すと、何かがありそうなところ。アプリには具体的にそれがなにか描写されています。例えば、この真ん中の探索トークンは机の上に紙の束が置かれており、夜会の招待状の山だとか。部屋の右のトークンは、電話機と引き出し付きの電話台です。部屋の奥は怪しい絵画。

 赤いチットは隣接探索トークンで、扉に置かれます。隣の音を聞いたり扉を調べたりすることができます。

 これら探索トークンはアプリの画面にも表示されます。そしてPCがそれを調べるときは、アプリの方の同じ位置にあるトークンをタッチします。すると詳しい描写と、調べるかどうかの選択肢が出ます(「調べる」選択肢を選ばないと、アクションしたことにならないので、この時点でキャンセルも可能と言うこと)。探索すると、それに合わせて判定をやらされたりして、その結果をアプリが教えてくれます。

 

 あ、そういえば判定方法について説明してなかった。

 判定方法は簡単。特殊な専用8面ダイスを判定に使うキャラの能力値の分だけ握って、振る。☆マーク(正確に言うと、エルダーサインですが)がでればヒット。無印はアウト。虫眼鏡(クルーマーク)が出ているものは、クルートークンを払えばヒットに出来る。ヒットが、指示された難易度以上の個数出ていれば、判定に成功します。場合によっては振るダイス数を増やしたり減らしたりします(指示がある)。能力値は2~5の間くらいです。

 MoM1よりかなり簡単になっています。MoM1は10面ダイスだったので、難易度修正には足し算引き算しなくてはならなかったのですが、専用ダイスにしたおかげで最小限の計算になっています。もっともそのおかげで、他の人が自前のダイスを用意するということが出来なくなってしまったのですが......早く専用ダイスセットを別売してくれないかな~。

 

 そういえばこの判定、やる気ならアプリにやらせることも出来たのに、プレイヤーにダイスを振らせるところ、なんかポリシーを感じますね。「RPGなんかこわくない」のなかで山本弘さんも、ダイス振りだけは人間がダイス持って振るんだ!とこだわっていたので、同じ考えの人がアメリカにもいるんだろうなあ。あ、私も大賛成です。

 

 そういうワケで、MoM2は1に比べてかなり洗練された印象になっています。正直、1はクトゥルフ神話TRPGを無理やりボドゲにした感じで、寄せ集めたようなルールが多かったのですが、それがすっきりしました。ややこしいところ、めんどくさいところはアプリが引き受けてますしね。

 

 あと、ディベロップメントをたっぷりしたんだろうなあ、と感じる点はアプリの描写文章。わりと細かくやってくれるのですが、意外に他の部分と矛盾があるような描写が出てきたりはしないんですよねえ。室内にいるのに室外にいるかのような描写が混じっているとかはほとんどないです。ゲームシナリオライターとしては、こういうところ、気になるんですよね。

 

 なんかゲームの説明に終始してしまいましたね。実際のプレイの時の話は項を改めることにしましょう。

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このページは、makiyamaが2017年3月17日 13:18に書いた記事です。

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