サーバが吹っ飛んでいた9ヶ月の間に遊んだボードゲームの中で、印象に残ったもの。そして、自分で持ってないものに関してのコメント記事、その2です。
ここにあげているのは、それなりに面白かったゲームです。本当に本当に面白くなかったゲームは忘れてたり、あえて触れてなかったりします。ですので、余り褒めちぎってないゲームでも、買って損するってことはないと思います......たぶん。
8.SET
一見するとカードがESPカードみたいですが、実際そうです。
場に4×3並べて、そのうちの3枚に共通項、もしくは完全に別々の要素を見つけ出し、セットと叫んでカードセットをゲット。
カードの図形の要素は色・形・数・塗りつぶし方の4つ。そしてその要素にはそれぞれ3種類があります。すべての要素が、同じかもしくはすべて違うかの組合せの3つを探す訳です。
それだけのルールなんですけども。これがもう、難しい、難しい。
元々ドブルのように、認識力とスピードを競うゲームは不得意なのですが、これはもうそれに輪をかけて難しい。
いやね、同じ物を揃えるのは比較的マシなんですよ。例えば同じ色、同じ数。3枚とも全部違うというのが、案外難しい。
あと4要素というのも難しい。人間、普通に認識出来るの3要素までなんだなあと痛感。3要素なら同じ種類もしくは全種違うまでは揃えられるんだが、もう1要素がへんに組み合わさらない3枚組になってしまうことがしばしば。
このもどかしさはやってみないとわからないですねえ。そしてもどかしさしか感じなかったので、私、パスです。このゲーム。
9.フンタ・カードゲーム
かつてのマルチプレイヤーズゲームの名作、フンタ(別名バナナ共和国)のカードゲーム版。
ボードゲーム版で盛り上がった「暗殺」の要素がなくなったので、どんなもんだろと思っていましたが、意外とまとまっている。「クーデター」の方は残ってますからね。
と言うわけで、発展途上国で政治家になって、私腹を肥やしながらクーデターを起こさせない交渉ゲームです。予算配分がキモなんですよ。誰をひいきして、誰に割を食わせるか。それを決めるのが大統領。もちろん私腹肥やし放題。
とはいえ、ほら、私、正直者で小心者だから(<ツッコミどころ)。こういうウソついて特定の人をいじめたりひいきしたり裏切ったりというゲームは苦手で。遊んでいるときはそりゃもう楽しく私腹を肥やしましたが、自分では買わないかなあ。ニョーボも余り好きではないようだし。
ボードゲーム版を楽しめた人には間違いなくお勧めですがね。
10.ミステリウム
マスターとプレイヤーの協力ゲーム、ただしプレイヤー同士は協力でないというややこしい構造のゲーム。
基本はディクシット。テーマをシチュエーション設定によって絞り込んだディクシットと言っていいでしょう。
マスターは100年前に殺された人の亡霊。100年前のこの未解決の殺人事件に、霊能力者たちが挑みます。マスターは幽霊で、自分を殺した人とその場所・狂気・状況を霊能力者に当ててもらうのが目的ですが、なにせ幽霊、ハッキリと言葉で伝えられない。イメージカードを霊能力者にコッソリ提示することしか出来ないのですよ(ここらへんがディクシット)。しかもそのカードは、最初に配られた手札の中からしか出せないという......。
プレイヤーを制限するのは解答回数(=時間)で、あんまり回数を掛けているとゲームオーバーになってしまいます。
そして、前半の5W1Hを当てると、今度はその中から本当の犯人(そう、ここまで当ててもらったのは候補者に過ぎないのです)を当てるフェイズにはいりまして。ここで前半稼いだ点数が、もらえるヒントの数になります。最終的に本当の犯人を当てた人が勝ち。
......で、2回ほどやってわかったことですが。これ、マスターとの相性がでかいですね。まあだいたい連想系はそうですけども、それにしたってミステリウムはかなりその比重がでかい。
最初にやった進藤さんの時には、本当にもうぼろぼろだったのに、北島さんマスターだったら、ちゃんとそこそこのゲームバランスで仕上がってました。やっぱ、ある程度気心の知れた人同士じゃないとダメみたいです。
ディクシットが盛り上がるゲーム仲間がいる人ならお勧め。
11.大いなる狂気の書
協力ゲームです。
設定は一言で言うなら「ハリー・ポッター」+「クトゥルフ」。魔法学校の生徒が、ちょっとした出来心で秘密の魔道書を読んだところ、いにしえの邪神の封印を解いてしまった。先触れで現れる邪神の使いたちを倒し、もう一度魔道書を封印せねば!......先生に見つからないうちに。
この「先生に見つからないうちに」ってところがいい。世界を滅ぼしかねない大災害と自分が怒られることを天秤に掛けちゃうところが、いかにもでして。
いやまあ、私も嗤えない、自分の原稿が遅れているのを担当進行さんに報告するのが怖くて出来なくて、自力でなんとかしようとして足掻いて事態がどんどん進行して......なんてことはよくあるので。......社会人と言うか、いい大人にあるまじきやつだな、俺。反省します。
それはそれとして、これは結構面白いゲームなんですよ。かなりバランスが練られていて、キャラクターごとの個性も違うし戦略も違う。
にもかかわらず、素直にお勧めしにくいのはお値段ゆえなんですね。
いや、コンポーネントに入っているものが結構あるんで、それなりのお値段になるのは仕方ない。そっち方向から見たら、納得いくんですけども。......何回ぐらいこれで遊ぶかなあと考えたときのコスパがね。
面白いんだけど、回数遊ぶとは思えないゲームってあるじゃないですか。
まあ、そういう風に俺には感じられたと言うことで。キャラ毎に個性があって、だから最適行動も戦略も違うはずで、用意されているキャラの分だけはそれなりに新鮮に楽しめるはず......なんだけど(試してない)。
違うシチュエーションのも遊べたら、また違った気分になれるんだろうけど。どんな違う能力持ってても悪魔は悪魔、邪神は邪神。
と言うわけで、ゲームとして面白いことは面白いです。
12.星の王子さま、星の王子さま・その先の物語
このふたつは実は全然違うゲームなんですけども、どっちもフランス製なのでまとめて紹介。(乱暴)
星の王子さまは、タイルで自分の小さな星を作っていくゲーム。で、特定のアイテムが描かれたタイルを特定枚数入れておくと、点数が上がります。例えばベンチが星に3つあると○点とか。バオバブの木が3枚揃うと星が壊れちゃうとか(星の王子さまではバオバブの木は星を崩壊させる悪役)。
とまあ、ここだけ見るとごく普通のタイル取りゲームなんですが。
問題は、減点カードが多いこと。例えばバラなんかは星にひとつしかないと14点入るのだけど、2本あると7点、3本以上だと0点。単純なマイナス点じゃないところが悩ましい。先ほどのバオバブの木も、実は「王様」というタイルがあると逆に得点になったりするし。ホントに悩ましい。
さらに、タイルをみんな表向きにして、それで前のラウンドの最後のタイルを取った人から順番にタイルを引いていくというタイルのトレードの仕方がこれに絡んできて、もっとえげつない展開になります。完全に公開情報なので、欲しくないタイルを押しつけられちゃうこともあるんですよ。先ほどのバラのように2本目、3本目を無理やり押しつけられたり。完全な妨害ですね、自分自身のリスクの回避ではなく。
ここらへん、実は見た目のリリカルさ、ファッショナブルさと裏腹にえげつない。
(完全に個人の感想ですが、フランス製ゲームって意外とこういうの、多いような......)
まあ、ワンゲームが短いですから、何回も何回もやりまくって、誰が誰を妨害したかなんてことは忘れて笑いながらやるのが正式な遊び方でしょう。
一方、「その先の物語」は、「星の王子さま」の小説の後日談。主人公は飛行機乗りなのですが、彼が星の王子さまに会いに行った女の子を探して、月まで昇っていきます。それをゲームにしたのがこれ。
基本的にはすごろくよろしくゴールを目指すゲームですが、一番乗りを競うのではなく、途中で集める星の数が点数になります(もちろん一番乗りはそれなりに点数もらえますが)。さらに進むマス数がサイコロではなく、手札から出すカードの数字なんですね。なので、思うマスに止まれたり通りすぎたりがコントロール効く。しかも、他の人がいるマスに止まると、他の人の上に乗っかって相手の手札のカードをひき抜いたり出来る。ますの指示にも従わないでよい。さらに、手番は順番ではなく、最後尾の人がプレイする、最後尾がふたりいるときには上に乗っかってる人が手番。先頭だからいいとも限らないのですよ、このレース。
というわけで、いろいろ戦略性が出てきます。腹の読み合いも出てきます。相手に乗っかって、追い抜いていく......う~ん。なんかすごい。
どちらのゲームも、リリカルなコンポーネント、キレイなイラスト(例の、あの星の王子さまのイラスト調ね)で、女の子受けしそうなオサレ具合ですが、イジワル要素がいっぱいなのでガチプレイして嫌がられないように。
ホント、フランス人、実はえげつないよなと思わないではないです(ド偏見)。
と言うわけで、もう少しあるので「その3」に続きます。
※写真は例によってホビージャパンの商品紹介ページから。
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