BGAでプレイすると、だいたいのゲームは軽くなるんですけども、それでも充分時間がかかる......というか、ジュウジュウ頭が焦げるほどに考え込むゲームです。
重量級ゲーム
ツォルキン
マヤ文明をモチーフにした、一風変わったワーカープレイスメント。
盤面はひときわ目を引く歯車のギミックになってまして。中央の歯車が1ターンに1コマ進み、それによって他の歯車もひとコマ進むというシステムになっています。
プレイヤーが行えるのは、どの歯車(の穴)にワーカーを置くか、あるいはどのワーカーを取り除くかの2択だけ。自分の手番には、どちらか片方しか行えません。ワーカーが置ける数は、現在どこにも配置していない手元のワーカー数が上限なワケですが、2体目からはコーン(このゲームでは貨幣のように扱われます)が余分にかかります。
それから、もう他人のワーカーがおいてあったり、ダミーマーカーが置いてあったりする穴には置けないのですが、それより先の穴に置くことも出来ます...つまり本来なら先のターンで到達するところに置けるのですが、これも余分にコーンを払う必要があります。コーン万能です。
で、ワーカーを取り除くときに、そのワーカーがいた穴が向いているコマによる特典が得られます。
他に、ゲーム中3回、ワーカーにコーンを支払うターンがあります。ここでコーンが足りないと点数がマイナスされます。
ルール自体は簡単ですが、3つの神殿の信仰度、3種類の資材、技術力、建物カードなど、考慮しなくてはいけない要素は結構たくさん有りまして、勝ち筋もひとつではなく、他の人との絡みや建物カードの出現の仕方で左右されるという実に悩ましいものです。
純然たる乱数要素は少なくて、なんラウンド後にどんな手を打てるというのが読めるゲームではあるのですが、それが見通せるようで見通せない。他の人の思惑がかなり絡み合う。
実に素晴らしいゲームです。
難点は、乱数要素が少ないので、ガチガチに頭使うところですね。しかも長時間。結構頭疲れます。もちろん、それが面白いのですけど。
タルギ
中東、たぶんアラビアあたりの商業部族をモチーフにした変形ワーカープレイスメント。2人用なのだけど、いや、2人用だからこそ、頭が焦げるほど考えるガチゲー。
盤面はエリアが25あって、5×5になってます。最外周は固定で、商品をもらえたりするマス(というか、実際はカードなのですけども)の他、特殊なアクションが出来るマスがならんでます。内側の3×3はカードによってランダムに決まります。
で、プレイヤーは交互に、外周に自分のコマ(タルギコマ)を置いていきます。全部で3つ。全部置いたら、その列あるいは行にまっすぐ線を延ばして、交点(のカード上)にアクションコマを置きます。3つのタルギコマですから、たぶん2つの交点が出来るわけです......置き方によっては1つしか無い場合もありますけども(同じ行や列の正面に2つのタルギコマを置いた場合など)。
ちなみに、すでに相手が置いたマスに自分のタルギコマを置けないのはもちろん、その対面のマスにも置けなくなります。ここで他人の目論見を潰すことも出来るわけですね。また、各自のタルギコマの他、盗賊コマが外周にあって、このマスにはどちらのプレイヤーもタルギコマを置けません。盗賊の場合、対面にはタルギコマを置けますけどね。
ふたりともタルギコマを置き終えたら、今度はその時の先攻プレイヤーがタルギコマとアクションコマを取り除きます。取り除くときに、そのマスやカードの能力が発揮されます。資材が書かれているならその資材をもらえます。部族カードなら、その部族カードを得ます(あるいは、使わずに捨てる権利を得ます)。得た資材はすぐに使えますので、資材をもらう順番が重要になることもあります。外周の「貴族」マスや「蜃気楼」マスなどは使うタイミングも難しいので、これも順番が問題になります。
取った部族カードは捨てるか自分の場に並べるか、ホールドするかが選べます。ただしホールドできるのは1枚だけ、すでにホールドしている場合には捨てるか場に出すかの二択になります(入れ替えは出来ない)。自分の場に出すには書かれた商品や金貨を払わねばなりません。
商品を払ったならその部族カードを自分の場に並べていきます。3×4の場に左詰で並べていくのですが(列は自由に選べる)、1つの列に同じ種類を4枚揃えるか、もしくは4枚とも違う種類で揃えるとボーナスがもらえます。また、カードの大半には特殊能力があり、その後のゲームで有利な特典や追加得点をもたらします。
先攻プレイヤーが終わったら後攻プレイヤーが同じようにコマを全部取り除きながらアクションをしていきます。
終わったら外周の盗賊コマをひとマス進めて、次のターン。盗賊コマが角のマスに入ったら、そのターンはプレイヤーはタルギコマを置くことはなく、ただ盗賊の略奪に遭います。略奪されるものは商品か点数です。
乱数要素は部族カード商品カードしかないのですが、これで結構振り回されるときもしばしば。そのくせ、他のところはやたらに見通しのいいシステムで(略奪までなんラウンドか、終了まで何ラウンドか)、ガチで考え込みます。
終了は、盗賊コマが一周するか、あるいは部族カードをどちらかが12枚並べたら。点数を計算し、最終的に点数が高い方が勝ちです。
面白いゲームなんですけどね。2人用で、しかも結構時間がかかるんで、なかなかやるチャンスがないです。でもまあ、最近勝てることもあるようになりました。
それにしても、中東イスラムの方の部族の、個人への影響力は大変強力だという話を聞きますが、なるほどねえと感心するゲームです。
キーフラワー
開拓村を発展させるゲーム。「競り」と「ワーカープレイスメント」と「タイル並べ」の3つの要素が入ってる欲張りゲームです。初めて遊んだときには欲張りすぎなんじゃ、と思ったものですが、その後3つ以上の要素を詰め込んだゲームを見かける度に、キーフラワーはうまくやってた方なんだなと思うようになりました。
このゲームの特徴のひとつはミープルの使い方にあります。通常ミープルとかそういうコマは、自分の色のものを持つものですが、キーフラワーではミープルの4色は、それぞれ別のワークグループを示す目印です。そしてひとりのプレイヤーはこれらを混ぜて持つことになります。
さて、プレイヤーは自分の手番に以下の選択肢から何かを行うのですが。
- タイルの競りに参加する
- タイルにワーカーを置き、効果を得る
- パスする
・タイルの競り
タイルはターンの最初に公開されます。そこに手元からミープルを置くことによって競りに参加できます。競りに参加する場合、すでにそのタイルに競争者がいたらその人が置いてるミープルと同じ色のミープルを相手より多い数置かねばなりません。同じ色、というところがミソですね。
じゃあ、色で区別しないなら誰がどのミープルを出したのかをどうやって記録するのかというと。ヘックスタイルにミープルを置いた辺で判別するのですね。真上の辺は誰それ、右斜め上の辺は誰それ......と。これが結構独特すぎて、つい間違えがちなんですが。慣れですかねえ。
なお、勝てそうもないなと思ったら、いつでもこのミープルを他のタイルに置き換え出来ます。また、競り落とした場合、その時に使ったミープルは消費されてしまいます(つまり銀行に戻るわけですね)。
・タイルにワーカーを置き、効果を得る
タイルには効果があり、そこにミープルをおくことによって、その効果を得ることが出来ます。新たなミープルを得ることの出来る効果や、特定の資材をもらう効果、さらにその資材を運送する効果などなど。
特徴的なのは、このタイルは自分のものだけでなく、他人の場のタイル、さらには競り中のまだ誰のものでもないタイルでも使えることです。
その場合どんなリスクがあるかというと。他人の場のタイルを使った場合、ラウンドの終了時、タイルの持ち主のミープルとして回収されてしまうのです。競り中のタイルなら、そのタイルを競り落とした人のモノになります。
また、タイルにすでにミープルが置かれていても、その効果を得ることが出来ます。その場合には、すでに置かれているミープルと同じ色のミープルを、直前に置いたひとの数より1つ多く置くことによって効果を発動させることが出来ます。
タイルに置かれたミープルは、ラウンドの終了時、タイルの持ち主の手元に回収されます。
・パスする
パスは自由に出来ます。一度パスしても、次の番が回ってきます。いわゆる「ハードパス」ではないのです。
ただし参加者全員がパスしたら、そこでそのラウンドはおしまいです。
ラウンド終了時には、ミープルの回収、競り落としたタイルを配置、そして移民船からのミープル獲得が行われます。
これを春・夏・秋・冬の4ラウンド繰り返して、最終的に得点を計算します。タイルを改良していれば点数が増えます。獲得したタイルによっては持ってるミープルや資材も得点になります。
考える要素は多くて、しかもしなくてはいけないこともたくさん有り、またタイルの効果のパターンも覚えないとなかなか勝てませんが、勝ち筋は多く、複雑さが同時に魅力になってるゲームです。
あとBGAだと、リアルでやってるときより競りのミープルの方向(置かれている辺)が見やすいのが利点ですね。リアルでやると、誰のだかわからなる......と言うより勘違いしやすくなるんですよ。ええ。実際、リアルでやった時には何回か勘違いしました。
というわけで重量級ゲーム。特にツォルキンはBGAで覚えて、買おうかなと思ってるような次第。宣伝効果ありますよね、このサイト。
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