キャンペーンというのは、元々一連の事件をまとめて指す言葉で、これが武力衝突あたりだと『戦役』と訳されたりします。
で、TRPGでは特に、連続した長いシナリオを指します。ただ、いくつかのシナリオが単に続いているだけでなく、全体を通じてのお話が存在する場合、キャンペーンシナリオと呼びますが......まあ、単に連続していても「キャンペーン」と呼んだりします。
でも、単に同じキャラを引き継いでシナリオを連続でやるだけでも、かなり普通の単発シナリオと雰囲気や面白みが違うのですよ。
というわけで、クトゥル神話TRPGでのキャンペーンのすすめを書いてみようと思います。
といいますのも、現在クトゥルフでキャンペーンというか、連続シナリオやってみているわけですよ。
で、いろいろと単発でシナリオやってるときと違った楽しみを見つけたのです。
日本でのクトゥルフRPGは、現代日本を舞台にした単発シナリオが多いみたいですが。現在私たちがやってるのは1920年代アメリカを舞台にしたシナリオです。いや、既製品シナリオはこの時代のものが一番多いので。最近私、既製品シナリオばかりマスターやキーパーしているんですよ。
で、今回はクトゥルフ神話TRPG新版(7版)も発売されたことだし、いっちょこいつでやってみるかあ、と。最初のシナリオも、基本ルールブックについているシナリオの一本「紅文字」をプレイしました。
といっても、このコロナ禍でしょ? 集まってやるわけにはいかないので、オンセです。
毎週火曜22時から2時間ほどのプレイ。1回では終わりませんで、5回に分かれました。通算10時間のプレイ時間なワケですが、まあちょっと雑談で始まるの遅れたりとかよくするので、普通にオフでプレイするのよりちょっと多い程度。オンセはオフより1割程度時間がかかりがちなので、まあこんなものですかね。
キャンペーンというプレイ形態はD&Dなどでは多いわけですが、ここらへんのシステムはシナリオを重ねるとキャラが強く成長します。そしてキャラに不利な成長......というか弱体化は起きないのが普通です。
ですが、クトゥルフでは違います。
加齢による能力の減少はもちろん、プレイの最中正気度がごんごん減り、破滅(というかキャラ使用不可能状態)に近づいていきます。7版ではこれに加え、幸運度の減少も起こりえます(オプションルールを採用した場合)。つまり、シナリオを重ねると、キャラが弱くなることもしばしば有り得るのです。
これがね。大変なわけですよ。
だって、キャラをずっと使ってるとどんどん愛着が湧くじゃないですか。プレイのうちに、どんどん性格やら設定やらが付け足され、キャラが固まっていく。そうやって愛着が出てきたキャラが、どんどん破滅に近づいていくわけですよ。
なんて言うか......まあ、他のTRPGでは感じられないような複雑な感情を覚えるわけです。
クトゥルフ神話TRPGは破滅を楽しむTRPGだとか言われることもありますけど、愛着が湧いたキャラでそれが起きると......うう~ん。なんていうか、ちょっとMっぽい感触ですねえ。でも完全にイヤなわけでもなかったりして。
他のTRPGシステムでは味わえないような感覚が味わえる。これが、私がクトゥルフ神話TRPGでのキャンペーンを勧める理由です。
ところでシナリオタイトルの「紅文字」、これ、たぶん、ホームズの1作目「緋文字(の研究)」のタイトルのもじりなんじゃないかなと思います。内容はほとんど関係ないですが。
現在キャンペーンは2本目のシナリオ、「殺人リスト」(「アーカムの全て」収録)に入ってます。今回のプレイでは、殺人リストの中にPCの一人を入れてみました。はっはっはっは。他人事じゃなくなって、ものすごく焦ってます。いやいや、よいよい。
これに味をしめて、次のシナリオでも他のPCを当事者にしてやろうと企んでいます。ふふふふ。
ちなみに「殺人リスト」というシナリオ、かなり傑作なので、キャンペーンじゃなくても一度プレイしてみるといいと思います。掴みがよくて、最初の怪奇現象がキャッチーで雰囲気も良い。その上カウントダウン式に時間に追われることになります。なかなか盛り上がる要素満載です。あとユーモアもあって。私はシナリオを読んでいて2回ほど爆笑してしまいました。
次週火曜日が、その「殺人リスト」第5回目、そしてたぶん最終回。楽しみです。あと、キャンペーの続きもね。
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